私が運命を賭けたいと思った男の話
「彼について行こう、彼は信じていい男だ」
そういう気持ちを持った瞬間を鮮明に覚えている。
西洸人
グローバルボーイズグループ・INIのメンバーである。
彼の第一印象は、なんだか目に付く男の子だな、という感じ。
ダンサーで経歴もあって目立ってて。
きっとスルッとデビューするだろうな、と思っていた。
正直、”なんだか生意気なやつだな”とすら思っていた。
明らかに私が苦手なタイプの陽キャである。
”上を目指して伸びていくけれど、きっと折れたことがないのかな”と
そういう目で彼を見てきた。(偏見に満ちていました、ごめんなさい)
そんな彼を見る目が変わったのは、グループバトルの時だった。
リーダーかつセンターとしてグループを引っ張る木村柾哉を、このグループバトルで支えた人こそ西洸人だった。
私は組織を運営する上で、信頼できるリーダーと同じくらい、もしくはそれ以上にリーダーを支えるフォロワーの存在が大事だと思っている。
誠実な木村が大きな責任を背負う中、それを支える役割を彼が担ったのだ。”もしかしたらヤツは私が思っているような、調子に乗った男ではないのかもしれない”と思った。
そして、私が彼についていくと決めた瞬間が訪れた。
“上を目指していること”だけはどの瞬間の彼からも伝わってくる。
しかし順位発表式の彼は、ここに来た頃の彼ではない。きっとここにきて大きな経験をしたのだ。自分の弱点を知ったのかもしれないし、誰かに圧倒されたのかもしれないし、自分の実力を過信していると思ったのかもしれない。
それが何か正確に私が理解できることは永遠にないのかもしれないけれど、第1回順位発表式で彼の言葉を聞いた時、”彼についていこう”と私は心に決めていた。
アイドルにとって重要な要素の一つに”言葉”があると私は考える。
それはファンの心に残る言葉を紡ぐことができる能力だ。オーディション番組発のアイドルではなかったとしても、FCのコンテンツやテレビ・ラジオなど、”言葉”をファンに届ける瞬間はたくさんある。
特にライブでの最後の挨拶は、その一言がファンにとって一生の支えになることもある。少なくとも私は、その言葉たちに救われてきた。
第1回順位発表式の時の彼の言葉は、私に今までで一番の大きな衝撃を与えた。
こんなに熱い心を持っていたのか。
こんなに情が深い人だったのか。
こんな言葉を紡ぐ人だったのか。
彼はこの後、オーディション期間中に得意なダンスではなくラップの実力を磨き、さらに成長する姿を見せてくれる。
現在はINIの1stALBUMのタイトル曲『SPECTRA』で作詞にも関わっている西洸人。
ダンスでグループに貢献しながら、新たな開拓に挑戦している。
彼がこれからどうなっていくのか。私は、それをずっと見ていたい。
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