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スーツを着ない暮らし
2025年も、もう11日目。今年は、パンとコーヒーの両立をどういう方向に持っていくかと人生の新しい分岐点を考えた時、社会人1年目の時の気持ちを、ふと思い出した。実家が自営業だったので、母の強い希望は会社員になってほしいというところがあった。当の本人はいかに学生を長く続けられるかといういうことばかりを考えていたので、社会人にどうやってならないかとスーツを着る仕事は絶対したくないとファションの勉強をしていた。
いつまでも学生がしていられるわけではもちろんなく、就職活動というものは強制的にやってくる。
アパレル会社ならスーツもお化粧もしなくて済むだろうデザイナー職を親のためと試験を受けてWORLDという会社に入った。
もちろんスーツは自分は着なくて済んだが実際仕事をするとスーツを着たおじさんたちを相手にしないといけないことは多く、18年勤めて考えるところあって中川ワニ珈琲の中川ワニさんに永久就職することにした。
スーツを着ることもお化粧もすることも勿論しなくていいのだが、中川ワニを相手になれないコーヒー暮らしは会社員という湯船でがむしゃらに泳いでいた自分にとって想像以上のもので、慣れるのに10年かかった今である。
ワニさんがコーヒーに夢中な姿は、自分も何か夢中に慣れるものが欲しいと割愛となり、自然と発酵とパンになった。きっかけは(やっぱり)コーヒーだ。ピンとこないかもしれないが、コーヒー自体が発酵品である。発酵したコーヒーの種子を焙煎という工程をへて茶色い飲み物の素になるのである。
中川ワニさんという人の奥さんがワニにちなんだグッズをつくたり集めたりしてるという行為が面白いと思った10年前と同様に、コーヒーという発酵物を取り扱う人の嫁さんが酵母という発酵に目覚めて本格的なパンを焼いているって面白いと思う。ポイントは店でなく生き方という趣味が講じたパンデロデヴであるというところである🤭
試行錯誤して3年目、やっと石窯ドームを使ってこれが私がやくパンだというrecipe1ができた。これをどう人々と共有し楽しめるかがスーツを着ない行き方につながると思う。
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