きずは癒やされない
びょういん 抜け出したい
抜け出したところで 居場所はない
どこかに帰ることを切望している
そのどこかは概念なのかもしれない
わたし
どこに行っても 消えていなくなりたい
逃げ出したい 失踪したい
束の間のあたたかさはむしろ毒だ
わたしは癒されない
どんなに忍耐強い人も 寛容な人も
適当な人も
わたしの癒されなさに嫌気がさす
もう勘弁してよって
もう疲れたよって
逃げ出すだろう
わたしも 一緒に逃げたい
癒されない体を脱ぎ捨てて
泣きじゃくるわたしに 嫌味でも罵声でも投げかけたい
もしくはそのまま川にポイと捨てちゃいたい
そうやってわたしは自由になりたい