わたしの看取りプロジェクト22
「おれ、戒名いらないから」
今回の父の葬儀では、ちょっとだけ気がかりなことがありました。
父が元気なころ「戒名はいらない」と言っていたことです。
わたし自身も戒名はいらないので、父の希望はかなえてあげたいと思いました。
葬祭ディレクターのAさんにこの話をすると、彼は少し混乱したように見えました。
通夜と告別式は父の実家と同じ宗派の僧侶をAさんに紹介してもらったのですが、普通ならその僧侶が父の戒名を決め、おそらく49日の法要も同じ人にお願いすることになります。
戒名を授かるということはお釈迦様の弟子となること。そうでないのなら、49日は意味がない、とのこと。
「戒名はなしで」なんて言ったらご住職にしかられるかなあ、と心配していましたが、そこはAさんがうまく説明してくれたらしく、無事に葬儀を終えることができました。
白木の位牌には、俗名として父の氏名が書かれています。
結局、49日はなしにして、母が信仰している神道系のやり方で納骨することにしました。
お墓は2年前に用意した公園墓地。宗教は問いません。
実は父が亡くなった夜、義弟がカトリックのお祈りを捧げてくれました。
菩提寺があるならともかく、本来、人を弔うやり方は、本人と家族が話し合って決めればいいと思います。
(2014.9)