新しい時代到来に向けて(2)「昭和」の発想を捨てましょう。
昨日の記事の続きになります。
先日より100年に一度という大パラダイムシフトが起きているよ、という話を中心に進めましたが、今日はいささか一部の人は不快に感じるかもしれません。なぜなら「昭和」を捨てろといわれると「昭和」の時代に生きた人たちはまるで自分たちが「全否定」されているように感じるかもしれません。
かくいう私も昭和生まれですので、その気持ちがわからないわけではありません。しかし21世紀に入り特にここ10年ばかりの世界で起きているドラステイックな変化ー価値観の変化を見ますと、もはや従来の発想に固執すれば日本という国は生き残れない、ということを実感するわけです。「昭和」ー特に昭和末期、というのはちょうどアメリカ人にとっての1950年代と同じくその国の絶頂期として記憶されているため、どうしても美化されがちです。特に困ったことに経済界はいまだに「バブル時代」を理想モデルにしており、エコノミストという人種も全員ではないですが、「バブル時代」を標準として論じる人がいまだに少なくありません。
「過去の成功体験」はある意味人をダメにします。それらは思考の硬直化を招き、日本の「バブル時代」がある意味その時代に発想を固執させ、時代が大きく変わったにも関わらずその時代のやりかたを「絶対視する」傾向を作ってしまいました。今の日本社会全体がいまだにこの呪縛から解き放たれていない印象があります。とりわけ日本の音楽業界、映画業界にはいまだにこの傾向があるように思います。
日本人は日本国内だけに目を向けるクセがすっかりついてしまい、なおかつ日本人同士で話をしているとその変化を理解するのは難しいかもしれません。しかし変化は確実に起きており日本という国は既にその対応に大きく後れをとっております。
さてここ10年間に起きた世界のドラステイックな変化を揚げますと以下のようになるのではないでしょうか
1. 世界のあらゆる関係がフラットになっていること。
2.価値観が多様化していること。
3.社会的弱者を含め「取り残されることのない社会」の必要性がとかれていること
4.インターネットやソーシャルメデイアの普及で国境関係なくコミュニケーションやコンテンツがグローバルに展開していること
5.いかなる事業も環境を配慮しながら進めなければならないこと
さて、昭和の発想、特に保守的な発想に傾倒しやすい方は上記の5つについて「受け入れる」のはかなり難しいようです。
昭和の世代は私もそうでしたが、幼い頃から「上下関係」というものを徹底的に叩き込まれており、組織のピラミッドの中で生きていくことを想定した教育を受けてきた世代です。しかし社会がフラットになっている現代、その発想はもはや通用しなくなっています。
全ての昭和世代がそうだというつもりはありませんが、だいたい昭和世代の傾向として
1.上下関係にうるさい、「上役」は「上から目線」が当たり前。ピラミッド型組織の在り方が絶対だと思っている。(「パワハラ」の温床)
2.全員がそうではないが基本的に男尊女卑の傾向がある。LGBTなど言語同断と思っている人も多い。(「セクハラ」の温床)
3.自分の価値観に忠実すぎて、それを他人に押し付ける傾向がある。(「パワハラ」の温床ー形骸化と思考の硬直化)
4.自分の今までのやりかた、手段を重視する、「カタチ」にこだわる傾向がある。(形骸化と思考の硬直化)
5.保守、リベラル関係なく「国」に固執する傾向がある。グローバルな発想になかなかなりにくい
勿論全ての昭和生まれが上記に当てはまるわけではありません。私などは昭和生まれですが、上記の傾向を非常に苦々しく思っていますし世界の動向を考えますと大きな危機感を覚えます。
そして日本の政治家、財界、官僚、が基本的に上記の「昭和」の発想でものごとを進めている傾向が非常に強いといえます。既にカビが生えてしまった古い価値観に日本のトップの大多数がこだわっている、というのが日本の現状です。
私はこれが日本という国が復活する際に大きな足かせになっていると感じています。「昭和」の時代とは相いれない価値観が日本以外では大多数になっている現状を考えますと、日本が現在あらゆる分野で世界から大きく後れをとっている元凶は、残念ながら「昭和の価値観」に固執している人たちがリーダーであり続けているから、と言わざるを得ないのです。
これからの時代では何をするにしてもデイバーシテイ(多様性)グローバリズム、そして誰も取り残されることのないSDGsは避けて通れません。
だから日本の映画界もいつまでもこんなことをしているようではダメなのです。
■「性被害」映画監督による性加害を女優が告発 脚本家からも疑問の声
https://bunshun.jp/articles/-/52554
■園子温の性加害を出演女優らが告発!「主演にはだいたい手を出した」と豪語する大物監督の“卑劣な要求
https://www.jprime.jp/articles/-/23641?
まだこの問題は決着していませんし、信じられないことに一般社団法人日本映画製作者連盟や日本監督協会はいずれも2022年5月30日現在、この一連の事態に対する正式な声明を出していません。
こうした事態は政財界だけでなく日本のエンタテインメント業界のトップもいまだ「昭和の発想」にとらわれている、と受け取られても仕方ありません。
やはり申し訳ないですが「昭和の発想=昭和脳」の方にご引退いただかないと日本再生はないといっていいかもしれません。
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