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キャステインググループ「New Paradigm casting - The future of entertainment」を立ち上げた理由(後)ーグローバルの時代を睨んだグループ独自のプロジェクト

さて、私が管理しているFacebookのキャステインググループに関する情報で前回は日本のキャステイング情報の全般的な質の低下から「外国人案件」や「海外案件」を増やしていっているという事情を説明しました。

前回の記事のあと、ある方から「日本に外国系の映像制作会社などあるわけがない。あっても少数だろう?」といった内容のご意見をいただきました。あっても少数だろう(?)、というのは何を根拠におっしゃっているのかわかりませんが、そんなことないのです。実際今Wowowでオンエアされている「東京バイス」は日本人キャストクルーもおおいですが、実は大半が外国系の制作関係者です。日本をベースに映像制作活動を行っている人も少なくありません。日本に「外国系のキャストクルーなどいるわけがない」など決めつけること自体、残念ながら昭和の発想に捕らわれていると思われても仕方ありません。

制作のグローバリズムは世界中のどこにいても世界標準の制作スキルを持っている人がいる、というのが大前提です。しかも「東京バイス」などはほんの一例でこれから外国のプロジェクトで日本で撮影予定のものは、ハリウッドだけでなく複数の国の映画プロジェクトで存在しているのがわかっています。多くはまだクランクインしていませんが、要は今後の自分の動き方、努力次第で日本にいながら外国映画にデビューできるチャンスが出てくるのです。

新しい時代に際し日本人には意識改革が必要

それらのチャンスは事務所に所属して口開けて待っていても決して訪れません。あなたのマネージャーがそういった情報を収集する能力があれば別ですが多くは語学力も必要なため、簡単にはいきません。自分からどんどん動いていかないとダメです。

日本は「ムラ社会」的な価値観が支配しているために、とにかく周囲と「波風を立てない」ことが最優先されます。日本の教育方針がそもそもその価値観中心に進められてきましたし、ある意味「自分で考えない」「上のいうことに従順に行動する」ことが最も良い行動とされてきました。

日本では自分で動いたり自己主張すると、すぐに「出しゃばり」とかいう人がいます。しかし外国の映画の役を取るつもりがあるのなら「出しゃばり」くらいでちょうどいいのです。なぜなら海外では「自己主張」をしないと存在していないのと同じ扱いになるからです。グローバルな社会では「ここは日本だ」という理屈は通りません。全て世界とつながっているからです。
ネットや周囲であなたを「出しゃばり」と非難する人は自分に外国映画デビューする資格はないことを自分でいっているようなものです。そのような人間のいうことなど相手にする必要はありません。映画制作のグローバル時代には従来の「日本人的発想」は寧ろジャマになります。

これから増加してくる日本撮影の海外映画  

さて、それらをふまえて映画、映像のグローバルな時代にはもはや国境に関係なく外国映画が日本で撮影、という案件がこれからどんどん発生していきます。その際に「日本のやりかたはこうだ」「日本のしきたりはこうだ」といったところでグローバルな時代では外国から相手にされません。なぜなら「日本のしきたり」はあまりにもガラパゴスで世界の常識とずれているからです。

日本にいるとなかなか実感をもって理解されませんが、世界のビジネス、とりわけ、コンテンツ、知財のビジネスがグローバルになるにつけ、コンテンツ制作は「世界共通のルール」で制作されるようになってきました。
それは肖像権、著作権、アーチストやクルーの契約といった面で世界中のビジネス環境の中で、できあがってきました。これはアメリカだけでなくヨーロッパやアジアでも取り行われているルールです。

なぜかそのルールが日本では殆ど知られていませんし、一部の大手でそういう取り組みがあるようですが、殆どの日本人、それも業界関係者がコンテンツビジネスの「世界共通ルール」というものの存在を知りません。

そのことが日本が世界から一歩も二歩も遅れてしまっている原因を作っています。世界からの差は年々広がっているばかりでこのまま放置すると本当に手遅れになってしまいます。
是枝監督のカンヌでのこのコメントは決して大げさなことではありません。

■是枝裕和監督が日本映画界へ危機感「このままいくと手遅れになる」
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202205290001463.html

さて、こうした中で少なくとも私が管理するキャステインググループは時代からも、そして世界からも取り残されないように以下を実施しようと思っています。

1)グループ独自のプロジェクトを立ち上げます
実は一見日本映画ですが、海外のファンデイングを元に制作する案件を計画しています。プロデューサーはアメリカ人で管理人もそのプロジェクトチームの一員となっています。そういった「日本の常識=世界の非常識」でない「世界標準」の制作方法で制作します。当然全世界公開を前提としたものです。

2)海外映画の日本撮影のキャステイング案件を重点的に投稿します。
なかなか理解してもらえないのですが、「東京バイス」のような海外の撮影案件で日本で撮影というケースが今後増えてきます。日本という国自体はかなり落ちぶれていますが、それでも日本を捨てないでいてくれている国がまだ相当数あるというのはありがたいです。管理人は5-6件そういった案件の存在を把握していますが、実際にはまだ相当数あると考えます。可能な限りお知らせしようと思っています。
 尚、日本で撮影していますが、多くはギャラその他の条件を考えますと海外の標準(アメリカならSAG-AFTRA標準)の案件とお考えいただいて結構です。

以前の記事に書きましたが100年に一度、という大変化が起きようとしています。以前の日本の映画界の常識では理解できないことが起きようとしています。その変化をチャンスという風に前向きにとらえられるかどうか、それは皆さん次第です。

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