「市場経済」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』
「市場経済」 【しじょうけいざい】
「官僚機構」と「情報世界」に並び、〈生の自己完結化〉と〈生の脱身体化〉をもたらす〈社会的装置〉を構成している要素のひとつで、各自が利益を極大化させようとする行為が、結果として経済全体の効率的な資源や財の分配を実現する「社会的制度」の一類型でもあるもの。
原初的な「市場経済」は、世界史のなかで徐々に形作られていったが、明示的な「市場経済」はむしろ法的整備を土台として意図的に整備されたものであり、必ずしも自然発生的なものではない。
そこでは「官僚機構」と同様に、〈社会的装置〉に接続する人々が集団的に組織化され、それぞれに行われる行為の帰結が、〈社会的装置〉全体として、特定の機能を発揮するように調整されることになる。
このページでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)についての概略、および他の用語との関係について説明したウェブ版の用語集のnote版です。
(現在リンク先は、すべてウェブ版を借用していますが、徐々にnote版に切り替えていく予定です。