【原理のUD(ユニバーサルデザイン)化 連載②】原理のUD化とは何か。

原理のUD(ユニバーサルデザイン)化とは何かを考えるための連載の第二弾です。

前回の記事では、物のUD化は、過度に合わせることを強いる文化をつくり出してしまったり、子どもの実態に即して手立てを考えるあり方ができなくなってしまったりするという問題があることについて書きました。

今回は、この問題を解決するための方法として、原理のUD化という考え方を紹介します。


原理のUD化とは、子どもの見方についての原理を一般化して共有することをさします。


具体例をあげます。

たとえば、私は、子ども同士のトラブルを解決するときに「問題解決の順序」を大切にするという原理をUD化したいと考えています。

実際には、学校や学年団といった単位で話し合って原理を導き出す必要があると考えていますが、ここでは、説明のために、一旦、話し合いでこの原理に決まったと仮定して話を進めます。


「問題解決の順序」を大切にするというのは、次のようにトラブルを解決するということです。

①何かトラブルが起きたときに、何がトラブルのきっかけだったかをトラブルの当事者やトラブルを見ていた人の話を聞いて辿る。

②順番によくなかったことを確認して、よくなかったことについては謝っていく。

③最後に今度からはどうすればいいかを検討して、結論を共有して問題を解決する。


私自身も子どもの頃そうでしたが、子どもの中には、まずは自分が納得できなかったトラブルのきっかけを最初に解決してもらわないと、自分の失敗を認めて謝ることができないという子がいます。

そういう子に対して、いくらその子の非を認めさせようとして説得しても、うまくいきません。

なので、そういう子が納得して問題を解決できるように、トラブルが発生した地点まで遡り、「問題解決の順序」に沿って解決するのです。


この方法をとれば、「問題解決の順序」にこだわりがある子も、気持ちよくトラブルを解決できます。

「問題解決の順序」にこだわりがない子にとっても、この方法をとれば、すっきりと問題を解決できるので、プラスに働きます。


これが、「問題解決の順序」を大切にするという、原理のUD化の一例です。


では、原理のUD化は、なぜ物のUD化の問題を解決することができるのでしょうか。
次回は、そのことについてお話ししていこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?