【原理のUD(ユニバーサルデザイン)化 連載⑨】子どもの視点に立って教育に取り組むために

原理のUD(ユニバーサルデザイン)化とは何かを考えるための連載の第九弾です。

前回の記事では、「携帯逆パカ事件」の中で、子ども時代の私が「問題解決の順序」にこだわりをもっていたことを確認しました。

その上で、子ども時代を振り返って「問題解決の順序」を大切にするという指導の原理を導き出しました。

そして、それを原理のUD化の原理を考えるための具体例として提示しました。

今回は、もう一度、連載の内容を振り返ることで、改めて、原理のUD化を、子どもの視点に立って教育に取り組むための方法として紹介します。


この連載では、はじめに、近年のUD(ユニバーサルデザイン)化の動向の中で、物のUD化が進んでいることを紹介しました。

そこでは、物のUD化には、過度に合わせることを強いる文化をつくり出してしまったり、子どもの実態に即して手立てを考えるあり方ができなくなってしまったりするという問題があることを確認しました。

その上で、原理のUD化という考え方を紹介しました。

そこでは、原理のUD化が、教員同士の相互チェック機能を弱め、子どもの理解と見方を深めることができるという点で、物のUD化の問題を解決できることを確認しました。


次に、原理のUD化を行うための方法として、自分の子ども時代を振り返るという方法をあげました。

そして、具体例として、私の中学生時代のエピソードをとりあげ、エピソードの振り返りを通して「問題解決の順序」を大切にするという原理を導き出した方法を紹介しました。


子どもの視点に立って教育に取り組むためには、このように、自分の子ども時代を振り返って教育の原理を導出し、原理のUD化を行う必要があるのです。


今回の記事では、原理のUD化を行うことの提案の流れを、連載の第一回から簡単に振り返り、改めて、原理のUD化を行う必要があるという主張をしました。

どのような原理をUD化すれば良いかは、実際に学校や学年で話し合いをして決めるべきですが、私は、これまで紹介してきたように、「問題解決の順序」を大切にすることを原理としてUD化するべきだと考えています。

次回は、連載の最後の記事になりますが、「問題解決の順序」を大切にしないことの問題点を紹介することで、なぜ私が「問題解決の順序」を大切にすることを原理としてUD化すべきと考えているかを紹介します。

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