紆余曲折の末に。
妻、実家へ帰る
妻が、年度末まで実家に帰ると決心して家を出たのは、7月16日(日)[2023年7月16日(日)]のことだった。
この決心に至った理由は、私と妻のそれぞれに、いろいろな理由があるのだけれども、私にとってこう至らざるを得なかった理由は、次の二つだった。
①私が仕事に出ている間に、妻がどこにも行かずに家にいて、体調を崩してしまうということが続き、そうなると私が仕事を休んで家に戻らなければならないため、私が仕事が続けられないという問題に直面してしまうため。
②引っ越しや入院等の費用がかさみ、家計的に苦しい中で、妻にとっては、家で静かに過ごすということが難しいことから、支出を抑えた生活をすることが難しく、ひとまず、私が一人で生活する中で節約生活をし、妻には実家に世話になってもらうということでしか、現在の家計の困難を乗り切ることは難しいと考えたため。
妻には、一人の時間が必要な人間である私の一人時間を確保するためには、自分が実家に戻るしかないという考えがあり(たしかに、私が一人で生活すれば私の一人時間が確保されるし、そのことによって、私にとっての精神的余裕ができたことは確かだった。)、妻としても、そうした覚悟のもとで、年度末まで実家に帰るという選択をしたのだった。
入院
ところが、その計画は、思った通りにはいかなかった。
実家に戻ってしばらくして、妻は、入院することになった。
やはり、実家での生活は、妻にとってしんどいものであるようだった。
その頃、私は、東京でしばらく一人で生活をし、少し自分の調子を整えてから、長野の実家に行っていた。
妻は、実家に戻って最初はしんどくなってしまったものの、しんどいということを自分から家族に話し、入院することができていた。
そして、退院に向けて、調子を回復してきていた。
私は、長野の実家から、妻の様子をみに病院まで行ったり、電話で話したりしていた。
最初は、初志貫徹を大切にする妻は、それでも、退院して、もう一度、実家で生活しようと考えていた。
けれども、実家との関係がどんどん難しくなっていく中で、やっぱり、東京に戻って生活するということを決めた。
二つの問題をどうするか
私にとっては、最初に書いた二つの問題、つまり、①私が仕事をしている間、妻はどうやって過ごすかという問題と、②どうやって、節約生活をして家計をまわしていくかという問題があった。
妻と一緒に生活をしていく上で、この二つの問題がクリアされなければ、生活は成り立たない。
そこで、妻と相談した。
すると、妻は、①については、私が仕事に行っているあいだは、病院のデイケアに通うと言った。
病院のデイケアには、以前も行ったことがあったのだが、前に行ったときには、通うことが続かなくて、途中で通うのをやめてしまったのだった。
けれども、今回は、一緒に生活していくために、覚悟を決めて、通うことを決めたのだという。
もし、通うことが難しいのであれば、もう私の職場に一緒に来てもらうしかないと、そう約束した。
妻にとっては、私の職場に来るということは、負担感が大きい。
けれども、家に一人でいるのが難しいのであれば、どこかしらに行くしかない。
もしデイケアに行くのが難しいとなれば、あとは、どこか自分で安心して居られる場所を見つけるか、私の職場に来るか、どちらかしかないのである。
今のところ、妻にとっては、自分で安心して居られる場所を見つけるのが難しいようなので、そうなると、必然的に、私の職場に来ることになる。
もし、今の職場で、妻に一緒に居させてもらえないのであれば、私が職場を変えて、妻と一緒に居られる職場で(職種で)働くほかはない。
しかし、生きてゆくためには、そういう手段をとるほかないため、そういうことになる。
そうならないために、頑張ってデイケアに通いたいと、妻は、意気込んでいる。
私は、そんな妻の意気込みを、心より応援している。
②についても、妻は節約生活を頑張ると言っている。
そもそも、デイケアに通うことができれば、デイケアに通うことには医療保障の制度が適用されて、かなり安く通うことができるので、それ自体が、かなりの節約生活になる。
そういうわけで、①がクリアできれば、②はほぼ同時にクリアできたようなものなのだ。
ただし、デイケアに通わない休みの日に大量の出費をしてしまっては、家計が破綻してしまうので、休みの日には、節約生活を心がけてもらうことになる。
そこについては、こんな約束をした。
「もし自分のやりたいことや行きたいことに対してお金がかかるのであれば、その分に関しては自分でお金を稼ぐことができたときにそこから支払う。」
そのような約束をすることで、妻にも、いずれは、働けるようになりたいというモチベーションを持ってもらえるのではないかと思って、私は、妻とそんな約束をした。
生活は、私が保障する。
でも、それ以上の楽しみがほしいのであれば、頑張って働いてほしい。
それくらいのハードルが、今の妻にとっては、発達の最近接領域(ヴィゴツキー)にあたるのではないかなと、そう思っている。
もしこの私のアセスメントが間違っていたら、そのときには、また妻との約束をし直すようにしたい。
おわりに
そういうわけで、私と妻は、もう一度、一緒に生活をしていくことになった。
この先も、いろんな困難があると思うけれども、一緒に一歩ずつ歩んでいきたい。