文科省の8.8%にモノ申す!
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
これまで数々のトピックで、
発達凸凹の人はかなりの数存在することを
記事にしてきました。
その中でも何度かあげさせてもらったのが、
文部科学省が令和4年に発表した、
「8.8%」
という数字です。
これは、
「通常の学級に在籍する知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示す児童生徒」
のパーセンテージを示しています。
この数字を見た瞬間、
「いやいや、そんなに少ないわけないじゃん」
と思ったことを覚えています。
今回の記事では、
この「8.8%」という数字の信憑性が、
どれほどなのかを検討していきます。
何か1つでもお役に立つ情報があれば、
幸いです。
筆者の勤務校の実態
まず、
「少なすぎる」
と直感的に思ったのは、
学級の中に明らかにそれ以上の
発達凸凹の子が存在していたことを
実感していたからです。
教員生活最後の2年に受け持ったクラスは、
中規模校で、
丁度クラスが分かれる人数ギリギリだったので、
かなり1クラスの人数が少なかったです。
最後に受け持ったクラスは、
たったの18人!
(本来はこれぐらいがいいですね)
その前が24人です。
さて、ラスト2年の学級の
特性をもっていた子どもをまとめます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【R4年度 18人】
・ASD2人(診断あり)
・ADHD/ASD1人(診断あり)
・軽度知的症1人(手帳あり)
・LDグレー1人
・LGBTQ+不登校傾向+学習凸凹1人
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
18人中6人なので、約33%です。
その前の年は
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【R3年度 24人】
・ADHD2人(診断なし)
・ADHD/愛着障害1人(診断なし)
・ASD1人(診断なし)
・LD2人
・場面緘黙1人
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
24人中7人なので、
約30%です。
本当はもっといるのですが、
学級編成のときに、
どの先生が受け持っても、
「配慮を要する児童」
と記録が残っている子どもだけに絞りました。
さらに、
筆者の学級に限らず、
学校全体に拡大してみます。
当時は、
特別支援コーディネーターをしていたので、
各学級の先生たちにヒアリングして、
気になる児童をピックアップしていました。
そして、
筆者が研修の講師を務め、
学校全体に特別支援対応を
レクチャーし、浸透させるようにしていました。
その時に提示したスライドです。
個別の支援/指導計画が作られている児童は11%。
それに、
作成してはいないけれど、
「気になる」とされる児童は、28人。
全体で21%です。
この数字は、
筆者の勤務校だけなのでしょうか。
諸外国の指数
アメリカとイギリスを見てみます。
高等学校における、
障害のある学生数のパーセンテージです。
イギリス17.3%、
アメリカ19.45%です。
日本、1.17%。
・・・1%!? んなわけあるかいっ!!
と思わずツッコんでしまいました。笑
ただ、アメリカ、イギリスとも、
通常学級といったくくりで調査をしていないので、
支援学校に通っている生徒も
含まれているのではと考えています。
さて、
noterであるのだのりさんが、
関連する情報を、
以前記事にしてくれていました。
ニュージーランドが、
15~20%。
ここでは、
「神経の多様性」となっています。
発達障害に限らず、
不安症などの症状も含まれるでしょう。
それでも、やはり、
イギリス、アメリカ、ニュージーランドは、
同じようなパーセンテージを誇っています。
日本だけが少ないのでしょうか。
各特性のパーセンテージ
ここからは、
筆者がこれまで蓄積してきた情報の中から、
各特性のパーセンテージを
まとめてみます。
まずは発達障害。
悉皆調査とは、
調査対象を全て調査した場合のことです。
(通常は一部分だけサンプリングして調査します)
次に、発達性読み書き障害
単独で見てみます。
もう既に、
この時点で8.8%は完全に崩壊しています。
正確には、
症状が重複しているケースがあるので、
単純な足し算にはなりませんが。
ADHDとASDが合併するのが、
半数ぐらい。
発達性ディスレクシアの子の場合は、
7~8%が、
ASD、ADHDと合併しているようです。
さらに教室には、
もっと多様性溢れる子がたくさんいます。
ここからは、
幾つかの他の症状を
ピックアップしてみます。
起立性調節障害が、約10%です。
(小学校高学年思春期もおそらく該当)
ここからは、
精神疾患の幾つかを載せます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
不安症・・・12%
パニック症・・・11%
強迫症・・・40人に1人
双極性障害・・・1%
統合失調症・・・100人に1人
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これらのものは、
生涯有病率もありますし、
大人になってからなったり、
症状が重複しているものもあります。
それでも、
「神経の多様性」という観点でみると、
8.8%どころではないのは、
明らかです。
「障害」って何?
筆者は、
「ADHDやASDは発達障害ではない」
ということを
ずっと主張し続けています。
正確には、
状況によって変わるということ。
専門家の言葉を借りますね。
なぜ日本では、
「発達障害」
という言葉が連呼されるのでしょうか。
ちなみに、
ADHDやASD、LDの最後の「D」は、
何の略がご存知でしょうか。
これは、
「Disorder(ディスオーダー)」
の略です。
「ディスオーダー」の訳は、
「障害」ではありません。
「障害」の英訳は、
「Disability」です。
つまり、
ディスオーダーの訳は、
「神経の秩序が違う」という意味であり、
「Disability」の「障害」とは別であるということです。
途中からアメリカで
このように変わったのですが、
なかなかこの変化が日本で普及していかないと感じています。
これからも増え続ける発達障害
令和6年の障害児者数が1160万人となり、
「精神」の人が約2倍に増えたように、
これからも発達障害や神経症は
増え続けます。
幾つか理由がありますが、
1つは、
あまりに社会が高度化しすぎて、
従来の人間の特性では、
適応できない人の割合が増えたこと。
2つ目は、
その症状の認知が広がり、
多くの人が表明するようになったこと。
3つ目として、社会全体の教育も
1つの要素となります。
児童自立施設で治療を行ってきた、
杉山登志郎氏は、
「非行は著しい減少を示しているにも関わらず、被虐待児が増えている」
という現象を指摘し、
被虐待児は、発達障害として
我々の前に姿を現していると述べています。
海外の論文の中には、
9割の人間は
自閉スペクトラム症の素因を
もっているという内容もあるぐらいですから、
素因×虐待によって、
「発達障害」とされる子どもが
増えているのかもしれません。
虐待には様々あり、
家庭での明らかな虐待はもちろん駄目ですが
家庭だけの要因ではありません。
児童虐待の定義に、
「子どもが心身共に安全で、健やかに育つ権利を侵害している」
というものもあります。
経済的虐待(貧困)などもありますし、
間違いを指摘する教育や
過度な受験競争などの
社会的な圧力も虐待になり得ます。
子どもたちに不寛容かつ、
大人たちの都合で動く社会になるほど、
「発達障害」が発現し得る恐れがあると、
筆者も含め、大人たちは認識しないといけませんね。
まとめ
日本の調査の中で、
「8.8%」
という低い数値が出るのは、
「著しい困難」
という強めの言葉に気圧されて、
微妙だと自己判断した子どもを
カウントしていないからだと考えています。
後は、カウントをすれば、
個別の支援・指導計画を
作成しなくてはならないので、
仕事が増えるから避けているのも1つだと思っています。
もしくは、
教員に見抜く目と知識が不足しているか、
医療からの診断がないと
自分で自己判断していいか分からないと思っているか、
のどれか。
しかし、そろそろ、
いや既に、
悠長なことを言っていられなくなっている
気がします。
これからも継続して、
伝えるべきことを
広めていきたいと思います。
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明日の記事は、
📓障害は人ではなく社会の側にある
です。
近年増えている
放課後デイサービスの実態と
その中でも面白い考えをもった
日本を牽引する経営者たちを
紹介していきます。
是非、楽しみにしていてください🎵
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