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「社会性が高い=優しい」の勘違い

先日、長年愛好している
ハンター×ハンターの新刊が出ており、
ようやく読むことができました。

しかも10月に連載再開。
富樫さん、生きててよかった・・・!

さて、新刊の方は・・・
字が多すぎて、もはや小説やん・・・


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


現代は、
様々な企業がコミュニケーション能力
重視する時代になってきています。

加えて、
コミュニケーションの能力とは別に、
社会性という言葉も存在します。

両者は同義なのでしょうか。

それと同時に、
学校教育の中では
「探求型学習」のように、

自分で調べたい課題を見つけ、
その問題解決の道を試行錯誤しながら
学習していくスタイルにも注目が集まっている。

しかし、よく考えてみると、
探求型学習のように
個別最適化を目指す教育は、

「個」を重視しているので、
社会性とは真逆の道を歩んでいるようにも見える。

一体、社会性とは何なのでしょうか。

社会性の意外な事実に注目し、
その実態を探っていきます。

楽しんでもらえると幸いです。



社会性が注目される背景

社会性とコミュニケーション能力は、
同じ領域の能力と考えても、
そこまで差支えがないと考えています。

例えば、ASDの障害をシンプルにまとめると、

・社会性の障害
・コミュニケーションの障害
・想像力の障害

と定義されることが多いです。

ASD専用の診断アセスメントツールは、
幾つも種類はありますが、
項目を見ると

・コミュニケーション能力
・意志疎通
・対人相互作用
・社会性

などの項目のどれかは必ず入っており、
相手の立場に立って考える力と、
相手の反応に適切な反応を返す力は
非常に関連性が高いことが伺える。

そもそも、社会性や
コミュニケーション能力が注目される背景は、

非認知能力という概念の台頭に
あると言えるでしょう。

人生の幸福度や、
年収、職業的な地位などは、

学力よりも、
それ以外の「生きる力」などで
決まる割合が多い。

そのことが
調査によって分かってきたからです。

OECDが2015年に行ったPISA調査では、
非認知スキルが高い子は、
次のステージでもスキルが高いことが発表されました。

次のステージとは、
小学校の次は中学、
中学の次は高校、
のようなことです。

スキルがスキルを生む
その差はどんどん開き、
ますます差を埋めることが難しくなる。

よって、
幼児期の早期教育が最も重要だと
注目されるようになったのです。

ちなみに、
学力が高くても、
コミュニケーション能力が
高まるわけではないのですが、

コミュニケーション能力が高いと、
次のステージで学力が高まる
ことが
分かっています。

よって優先すべきは、
学力を上げることよりも、
様々な体験を積ませることだと
判明しているのです。

だからこそ、
現代の体験重視になってきている流れは
ある種自然とも言えるし、

企業などが
部活動や課外活動
ガッツリやってきた人などを
率先して採用していたりするのも、

経験則的に
間違っていなかったことが判明したとも言えます。

しかし、今は、
個別最適化のように「個」を認める時代。

社会性が高いことは
果たしてよいことなのでしょうか。


社会性が高い=優しいはウソ?

社会性というものは、
何も人間だけがもっているものではありません。

地球上に存在する
多くの動物がもっているものです。

いわゆる、
群れ秩序を保つ力と言えるでしょうか。

ハチやアリを見ると明らかです。

女王蜂や女王蟻を絶対の主君として、
見事な組織をつくっていると言えます。

これが社会性です。

その種が生き残っていくために、
遺伝的に備わっているものであると言えます。

つまり、
個人の都合よりも、
集団維持機能が圧倒的に重視されるのが、
社会性の本質とも言えるでしょう。

集団として機能するほど、
生存率が上がるからですね。

そして、
集団としての秩序を守ることが
社会性であるということは、

社会性を保つには、
集団の秩序を乱すものを
排除するということになります。

社会性が高ければ高いほど、
異質なものを排除しようとするということです。

つまり、
学校や職場などで発生する
いじめいやがらせなどは、
社会性が高い集団だから起こっているのです。

能力の劣る者。
空気が読めない者。
命令に反する者。

これらを集団から排除したいのですが、
学校という仕組みや、
簡単にクビにできない制度があるため、
攻撃がエスカレートしていくといった感じでしょうか。

強くなることを重視し、
猛練習をしている部活動などは、
少しでも指揮系統を乱す部員がいたら
試合中に呼吸が乱れるわけです。

強いチームや組織は、
社会性があってまとまっているかもしれませんが、
他者を排除する性質があることを
忘れてはいけませんね。

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