インリアルアプローチ
今日は成人の日。
この日にちなんで、
全国各地で二十歳の集いが行われましたね。
筆者の受け持った子たちが、
成人や二十歳を次々と迎えつつあります。
何とも感慨深い気持ちになりますね。
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
「教科書を出しましょう」
「前へならえ!」
そんな声掛けをしても、
ぽかんとして動かない小学1年生。
言葉によって、
指示や説明が伝わる高学年を担任していると、
言語によってのコミュニケーションが、
なかなか通じない低学年との落差に
驚くことがあります。
しかし、
小学1年生ですらその状態ということは、
就学前の子どもは
もっとその状態ということ。
おまけに、
発達に凸凹があり、
言語面の発達が遅れていれば
さらに「言葉」に頼るコミュニケーションは
通用しないことになります。
それでも、
教育や療育のためには、
子どもたちとコミュニケーションを取り、
場合によって誘導しなければなりません。
その場合は、
どうしたらよいのでしょうか。
今回は、
インリアルアプローチをテーマに、
コミュニケーション能力を育成する
効果的な方法について
解説していきます。
何か役に立つものがあれば、幸いです。
インリアルアプローチとは?
そもそも、
インリアルアプローチとは、
言語聴覚士の分野などで学習するような、
語用論的技法の
言語指導方法のことです。
私たち人間が、
他者とのコミュニケーションにおいて、
「やりたくない」と感じる時は、
どのような時でしょうか。
相手が上司だったとすれば、
「〇〇をしなさい」
と言われれば、
多くの場合は反発心が生まれると思います。
「〇〇をお願いしてもいい?」
「あなたにお願いしたい」
そう言った丁寧な言い方の方が、
当然ながら波風は立ちません。
これは子どもも同じ。
しかし、一部の大人は、
子どもに対して、
「〇〇をしなさい」
という、
反発心を生む方法を
取っ手しまいがちです。
もちろん、
信頼関係ができていて、
師弟的な関係の場合は、
むしろ、こういった口調であっても
うまくいくケースは存在するでしょう。
それは今回は置いておきます。
問題は、
「〇〇をしなさい」
という口調や態度は、
言語発達が未成熟である子どもにも
しっかりと伝わっており、
相手の主体性を奪い、
閉塞感を与え得るということ。
できることなら、
そういったマイナス面の影響を与えずに、
言語発達を促したい。
その時に役立つのが、
インリアルアプローチです。
7つあるので、
順々に解説していきますね。
7つのアプローチ
インリアルアプローチには、
7つのスキルがあります。
以下に記載しますね。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶ミラーリング
❷モニタリング
❸パラレルトーク
❹セルフトーク
❺リフレクティング
❻エクスパンション
❼モデリング
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
それぞれの内容を解説していきます。
❶ミラーリング
ミラーリングは、
要するに「まねっこ」のことです。
就学前や、
言語が十分に発達していない子どもと
一緒の部屋にいると分かることがありますが、
そもそも子どもは、
周囲の人を
コミュニケーションが取れる人物だと
認識していません。
よって、
どれだけ同じ空間にいても、
平行線をたどることになります。
話しかけても、
言語が通じなければ
コミュニケーションにはなりにくい。
そんな時は、
動作をそのまま真似るのです。
それをしばらく続けていくと、
「この人は自分が何かをすると反応する存在だ」
と認識するようになります。
すると、
「本当に何でも真似するのかな?」
と捉えるようになり、
突然走り出したり、
突発的な行動をしたりして
試すようになる。
それも真似していると、
何をしても
自分を見つめ真似してくれる人として、
仲間としての認識を強めていきます。
それが慣れてくると、
今度はその人の行動にも注目するようになる。
そこで、
その子にやらせたい療育のメニューなどの
手本を見せることで、
その子どもが真似をし始めるようになる。
言語というものを介さなくても、
コミュニケーションをとり、
信頼関係を結ぶことができるようになります。
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