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中途採用・新卒採用の面接をやってて思ったこと(その2)

ということで、前回に続いて今回は「新卒採用面接」に関わってきたことについて書き記していこうと思います。

改めて書くほどでもないのですが、綺麗に内容をまとめて書き残しておこう、という意識では書いておりませんので、大変読みにくい文章、内容になっているかと思います。本来それではいけないことだと、名もなき一介のマーチャンダイザーが書くことに興味を持って読んでいただいている方に対して失礼なのではないか・・・ということは、微塵も思ってませんのでご容赦ください。すみません・・・。

中途採用をやる目的や意味、意図というのは、前述した通りで、皆さんのご想像の通り、即戦力としての補充の意味がとても強いです。また、既存のチームや部門関係者では出せない新しい要素を取り入れたい、新規取引先を開拓したい、といった事業拡大や戦略的に進化させていきたいときに実施している、ということをお伝えしました。

それでは、新卒採用って一体どんな目的なのでしょうか?毎年、大量の学生を採用していますが、その意図・・・というか真実は一体どのようなものなのでしょうか?

新卒採用については、ここ数年いろんな議論が立ち上がっていますよね。某FRさんのように通年採用に切り替えるところや、新卒であっても、既卒者もOKだったり、いわゆる第2新卒なんて呼ばれるような、大学を卒業してから約3〜4年程度しか経過していない社会人までを対象として広げるなど、大学卒業したら就職するっていう昭和的概念をいかに打破していくのか、みたいなことがよく話題に上がってました。

その手の話は、また別の機会にたっぷりとしたいと思いますが、いずれにしてもまだまだ新卒一括採用の慣習はしっかりと日本社会に根付いていますので、その流れに沿って企業も新卒者を確保するべく、採用活動を行なっているわけです。

アパレル・雑貨企業が、小売業が新卒をかなりの人数で採用・確保することは、皆さんもご承知かと思います。毎年3、4月ごろになると、某量販店さんや大手スーパーさんの入社式のニュース映像が流れたりしています。いまだに1000人規模の採用を行なっていることにびっくりしたりするわけですが、翻って自分の会社の採用人数を聞いてみると、またその数にもびっくりしたりするわけです。

正直に書きたいと思いますが、小売業やアパレル・雑貨ブランドの会社が大量の新卒者を採用する理由は、やはり離職者が多いからに他なりません。また、新規出店の店舗数が多いことも理由です。ブランドビジネスをやっていると、やはり必然的に女性の比率が高くなります。LGBTQを掲げて活動しているとしても、まだまだ結婚や出産に向けた退職や休職が多いのは事実としてあります。それに反して、会社としては新しいブランドを立ち上げ、新しい店舗を次々と出店していったりします。つまり、店舗数が増える分、その店を任せる社員の数も増やさなくてはいけません。いくら多くの社員を抱えていたとしても、一定数の避けられない減少とビジネス拡大のために増えていく店舗、そこで必要とされる社員数、この2つを掛け合わせると、やはり毎年数百人規模の採用を行わないと店頭が疲弊してしまいます。

ここでちょっと余談ですが、これからMDやバイヤー職、ブランドビジネスに興味をお持ちの方、アパレル・雑貨業界に就職を考えていらっしゃる方、ぜひ理解しておいていただきたいのが、この業界に入ったら、店舗での勤務は最低でも5年程度やっておいて欲しい、ということです。3年、でも良いのですがここではあえて「5年」と書いておきます。

店舗の仕事をしていると、様々なお客様と接客をしたり、売場を綺麗に作り、キープしなくてはいけないですし、スタッフのシフト管理・教育などのマネジメントを行ったり、とかなり忙しく、また土日や盆暮正月がないため、まとまって休めなかったり、友達と遊びに行けなかったり、と相当疲弊する時間になると思います。私も実際そうでした。20代の人生の時間は全て店舗での仕事に捧げました・・・。

でも、その経験が全く役立たないか、というとそんなことない、むしろその経験がなければその先の仕事なんて全くできないので、経験していてよかったと思うし、今でもたまに店舗にヘルプ行ったりしてその感覚を取り戻したりします。

MDやバイヤーの仕事はもちろんですが、その他の仕事、例えば物流や経理、人事などの管理系の仕事もそうですし、VMDやディストリビューター、コントローラーといった職種の人たちであっても、店舗での十分な経験なしに業務をこなすことはできません。なぜなら、全てのアウトプットは店舗、店頭に繋がっているからです。本部と呼ばれるようなところで仕事をしている人たちは、お客様との接点である店舗の状態を最高のものにするために仕事を行なっています。ただ、店舗でずっと仕事を行うことはできないので、MDやバイイング、人事や経理は別の場所、いわゆる本部、本社と呼ばれるところでそれらの仕事に従事しているわけです。よって離れたところにいても、店頭の様子が手にとるようにわからなければ、想像することができなければ、本部での仕事なんてできないですよね。手にとるようにわかるようになるまでには最低でも3年、経験値の厚みを持たせるためにプラス2年、計5年は店舗で仕事をしなければ、そのような状態にはならないし、手にとるようにわかるようにならなければ、MDやバイヤーなどはいちいち判断が間違ったものになってしまうでしょう。

実際、最近は店頭経験が全くない人が企画業務やMD設計業務、ディレクションまでやっている新人だっていたりします。それはECサイト専業ブランドの企画職、バイイング職の人たちです。新卒1年目でいきなりディレクターやチーフデザイナーに任命され、ブランドの方向性やテイスト、商品の企画の方向性などを行なってもらいます。いい企画、いい商品だけ作れば、そしてSNSにおしゃれに、映えの投稿を毎日行えば売れる、という思い込みで始めるんです。実際それでバズって売れたりするんですが、それも最初の数ヶ月だけ。1年後にそうしたブランドが残っている確率はほんと低いです。でも痛くないんです。実店舗を持ってないから。ECサイトのみなので、店じまい、ブランド終了はとても簡単にできてしまいます。

なぜそうしたECブランドはなぜダメになってしまうのか。その理由が先に挙げた店頭での経験がないから、に他なりません。店頭で作業なり接客の経験があれば、そのブランドに来ていただいているお客様が、どんな理由でお買い物されているのか、ニーズはどんなものか、時期によって変化するニーズはどんなものか、どんな競合ブランドと比較してお買い物されているのか、おおよそ分かるはずです。このニーズがわかってなければ、本部の仕事は全般的にできないんです。なので、店舗での業務経験はとても重要なんです。

余談から、だいぶ脱線してしまいました・・・軌道修正したいのですが、もうすぐ3000字になってしまいますので、次回に続けたいと思います。

それでは、また!

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