完璧でないことの美しさ
柿右衛門の磁器は純白ではなく、濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色だからこそ味があるらしい。
「純粋なものは美しくない」
14代目酒井田柿右衛門はそう語っていた。
絵や音楽は無の状態に形や空気の歪みを与えることからはじまる。
芸術家は完璧な美を求めて創作するが、それへ至るまでに生じる歪みにこそ人々は喜びや物語を感じる。
何も起こらないドラマでは心は揺れない。
私たちの歪んだ弱さ、悲しみの傷も美しさへとつながるものなのだ。
【ジュエリーデザイナー Kyohei Hayakawa HP】