偶然の日。
春のような空色の日。フラリとレコードを買いに都内へ向かう。
いつも行く馴染みのお店に行くと、何処かで見た顔が真顔でCD棚を凝視している。スイセイノボアズのパーカーを着たその人は高校生の友人だった。
「よっ!」
ふと声をかけてみると「何でここに…!?」と言われる。当たり前だ。
で、そのまま狭い店内を一緒に巡ることに。
GSから最新のインディーズ作品まで幅広く聞いている彼とは年齢を越えて色々な話が出来るから楽しい。
今から3年前にライヴ会場で知り合った時、彼は高校入学したての15歳だった。当時はライヴ会場へ母親と一緒に来ていた。
それからどういうきっかけで仲良くなったのかはもはや覚えていないけれど、下北沢のサーキットフェスを一緒に巡り、好きだったバンドが解散した際には一緒に涙を流し、ぼくは彼が探していたレア盤を格安で見つけプレゼントし、彼は逆に新しい音楽を教えてくれた。
そんな彼もまもなく高校を卒業して4月から大学生になる。
「大学院にも行こうかと思ってるんですよ」
CDを物色しながらさりげなくそう口にした彼の横顔にはある種の覚悟のようなものが見て取れた。
彼の人生はこれから目まぐるしく変化していくのだろう。ライヴ会場で会う機会も減っていくような気がする。
その代わり度々訪れる再会の時が楽しみになるのだけど。
「6月にカタカナと曇ヶ原のツーマンあるから行こうよ」
「ですよね!超行きたいんですよ、その日!」
別れ際にそんな事を話した。彼が教えてくれた新しい音楽、それはカタカナというバンドのことだ。
もし6月に再会出来たら、どんな顔つきになっているのだろうか。それが今からとても楽しみだ。
そんな春のような日に起こった嬉しい偶然についての覚え書き。
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