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サンタクロースに頼むプレゼント

気が付けば、クリスマスが1週間後になっていた。

子供の頃は、それはもうクリスマスが待ち遠しくて、12月になった途端そわそわしていた。

ケンタッキーのCMで竹内まりやの「すてきなホリデイ」が聞こえてくると、全身を震わせて喜びを表現した。

録画したテレビ番組本体よりケンタッキーのCMの方を重視した。


それがいつからか、12月になっても何も感じなくなり、クリスマスの直前にそういえばそろそろクリスマスだなと思い出す程度の大人になってしまった。

今となっては、クリスマスは数ある形式的な行事のひとつに過ぎない。

地鎮祭くらいの位置づけである。


大学1、2年生の頃まではそれでもまだクリスマスを楽しみにしていたのだが、いざ当日になってみると昔のようなわくわくが無くなっており、そのときに私は気が付いた。私はクリスマスが好きなのではなく、毎年何家族かで集まり、クリスマスディナーを食べ、みんなでゲームを好きなだけやったあの頃のクリスマスパーティーが好きだったのだと。

しかし、もうあの頃のクリスマスは二度とやってこない。

机の上を華やかに飾っていた七面鳥は、コンビニの焼き鳥になった。

ゲームの陽気な音楽とみんなの笑い声は消え、一人暮らしの部屋にレンジの音だけがむなしく響く。

綺麗な包装紙に包まれたプレゼントをもらって、それを開けるときのあの喜びは、会社からの健康診断結果を知らせる封筒を開けるときの恐怖へと変わった。


今年はコンビニでホールケーキを予約した。

ひとりだが、楽しめるだろうか。

サンタさん、どうかクリスマスを楽しく過ごしたあの頃の気持ちをください。

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