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記事掲載確率が大きくアップするプレスリリースの工夫8つ

広報マーケアドベントカレンダー2018の12月7日分です。

今はプレスリリース配信サービスという便利なものがあるので(1回0円〜4万円程度で、記者にプレスリリース配信を代行してくれ、様々な場所にプレスリリースの転載を掲示する、クラウドサービス)、記者リストを社内に作らないケースもありますが、できれば社内に記者リストを持ち、自分たち(PR会社と契約している場合は、契約先のPR会社)からもプレスリリースを配信することをお勧めしたいです。

知り合いからのメールが社内の記者リスト宛のプレスリリースであり、面識のない人からのダイレクトメールが、プレスリリース配信サービス経由のプレスリリースです。

前者には「あ、XXさんからのメールだ、見てみよう」と思ってもらえるアドバンテージがあります。後者は、知らない人からの大量のメールなので、タイトルで開く必然性がないと、埋もれやすくなります。自分に知らない人から大量に送られてくる宣伝メールやメールマガジンを受け取ったときの反応を考えるとイメージしやすいです。

このプレスリリースですが、取り上げる内容もさることながら、これをもとに記事を書いてもらうための確率をアップさせる方法が8つあります。

まずはタイトルです。記者が自分に関係ある、興味深いと思ってもらえるタイトルをつける必要があります。まだ知名度がない会社であれば、社名を前面に出さないのもありかもしれません。A/Bテスト(タイトルを2種作り、反応がいい方を採用する手法)はこの場合は使えませんので、社内で同僚などに聞いてその反応を見て選定しても良いでしょう。

続いては送信先です。やたらと多くのメディアにプレスリリースを送信する人がいますがやり過ぎると逆効果です。「関係ない情報を何度も送ってくる会社」と思われてしまう可能性が高まります。送信元アドレスがスパム認定され、ますます情報が届きづらくなる可能性もあります。

次が送信頻度です。下手な鉄砲は数売っても当たりません。粗製濫造は逆効果です。ある記者の方はほぼ毎日、大したネタでないのにプレスリリースを送ってくる会社があり、迷惑していると言っていました。これも送信先のところで述べたことと重なりますが、送信元アドレスがスパム認定される可能性があります。ある程度頻度を絞り込みたいところです(サイトに上がっている、競合他社のプレスリリースの頻度を調べてみると良いです)

次がタイミングです。プレスリリースの送信時間帯や曜日などにはある程度偏りがあります。記者が忙しい時間帯もあります。それらの傾向を調べることも大事です。また、季節や世の中のニュース、展示会の開催日(展示会の初日や直前は出展予定企業の発表が重なります)も考えて、埋もれない日に送る工夫も必要でしょう。

ある企業では、2月に多くの企業がバレンタインデーネタのプレスリリースばかりが大量に送られていることに気づき、敢えて逆張りをして「花粉症」ネタのプレスリリースを出したそうです。他と違う上に季節感があり、複数のテレビ取材に繋がりました。

次が素材です。記事は文字だけではありません。ビジュアルの要素も大事です。記事に利用できる素材をプレスリリースとともに提供すると記事化の可能性が高まります。例えば、製品の画面、社長の写真、企業ロゴ、サービスの図解などのようなものです。これらはプレスリリース配信サービスからダウンロードできるようにしても便利ですし、自社サイトに「プレスキット」「プレスルーム」などのコーナーを作り、そこからダウンロードしてもらうのも良いでしょう。

次が内容を後押ししてくれる正しいデータです。時々ナンバーワンなどの表現を使う人がいますが、その根拠が必要となります。プレスリリースには事実を書かなければならないので、自社調べの不確実なナンバーワンなどの情報は入れないようにし、調査機関が調べた結果を出典を示して引用しましょう。なお、調査機関によっては、引用に当たり、事前連絡が必要だったり、決められた方法で行う必要がある場合があるので、引用の方法を調べて対応してください。

次が、連絡の取れる問い合わせ先の明記です。プレスリリースに書かれておらずに記事で触れたい内容がある場合、プレスリリースを読んでもわからない内容があった時に記者は問い合わせをします。この時に連絡が取れないと致命的なのです。メールアドレスが間違っていてメールが戻ってきてしまう、メールを送っても返信がない。電話が繋がらないなどで記事となるチャンスを失うこともあります。配信後に外出の予定があれば、プレスリリースに携帯電話の番号を入れるなど工夫したいものです。ある記者は3回電話してつながらなければ記事化を見送らざるを得ないと言っていました。

最後がお作法です。プレスリリースは基本的に新ネタを記者に届けるものです。以前から自社サイトで公開している内容を後から送ってはルール違反です。また形式にも一定のルールがあり、そのルールに則っている形式であれば記者が読み慣れているので記事が書きやすいです。プレスリリースの作法を調べておき、あまりに型破りなことはしないようにしたいものです。もちろん業界毎に特有なお作法もあるので、その業界に詳しいPR会社に聞く、有識者から情報収拾をするなどして、明らかなルール違反のないようにしたいものです。

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