デザインワークを共業化するということ
DMM.comにてJOINして1年半。『Design&Collaboration』というデザインイベントの登壇をきっかけに長谷川恭久さんPodcast『Automagic』に出演させてもらいました。このエントリは収録についての備忘録です。
何故、デザインの共業化が必要なのか
新旧あわせ40以上の事業が存在しているDMMも、企業の急激な成長の背景では体制変更や吸収合併などを経て多くの文化が入り混じった結果、各チームや組織ごとで文脈の異なる課題感が浮き彫りとなりました。
よりシームレスな開発体制を実現すること。ユーザーの体験価値≒ビジネス価値のためにモノをつくるプロジェクトの工程においてデザインワークは重要なものであり、特定のデザイナーがおこなうには重大すぎるものとなりました。
デザインワークを共業化するにあたっては、ワークプロセスと携わるサービスのビジネス価値を十分に理解するデザイナーが自らの仕事に再現性を作ることからはじめ、デザインのプロセスと思考にチームに浸透させていく必要があると考えています。
新しいアイディアを組織に広める
前提として組織の文化・体制に新しいアイディアをもたらすことを、独りの力で実現することは難しいです。デザイン共業化を推進することも例外ではありません。適切に周囲を巻き込むには戦略が重要です。
組織の前に相対する他者の直面している問題や、それを取り巻く環境に対して分析をすることから始まります。
「輪読会」「ワークショップ」「著名なクリエイターを招いたイベントの開催」、これらも代表的な施策ですが、一つ一つを紡いで成功体験を積み重ねることが結果的に大きな変化へと結びつきます。
ツールやワークはあくまで手段であって、これらを通したチームとの関わりで何を実現するかが大切です。また、前提として打ち手や手段が一つとは限らないということで計画的な失敗を許容することが成功の鍵となります。
単一の施策ではなく連続的に
私のチャレンジは至極単純で、チームの課題を取り巻く事象を分析し、可視化した上で解決に適した「組織パターン」を実行し続けているということです。前述の「施策群」を「パターン」を称し、PDCAを回しています。
ここで言う「パターン」とは「Pattern Language 3.0」のことで、具体的にはLinda Risingさんの著書『Fearless Change』に記される、先人による組織設計の成功法則を活用させてもらうことを指します。
「巻込力」「交渉力」というカジュアルな言葉でもなく、「センス」や「努力」などエモーショナルなものでもありません。
これら再現性の高いパターンを自身が向き合う事象や場合に照らし合わせることで、能力の差異なく"誰も"がチャレンジをすることに意味と価値を与えてくれます。
最後に
デザインワークを共業化する、もしくは「みんなでデザイン」をするという行為は合議制ではありません。
隷属的にビジネスオーナーにからの要件に応じたビジュアルを作成して周囲の賛同を得るものではなく、サービスやプロダクトの達成スべき目的のためにおこなう建設的な行為です。
チームの誰よりもユーザーを知り、物事の抽象化と構造化の能力に秀でたデザイナーがプロジェクトをドライブしていくことです。紹介したパターンランゲージもデザイン手法の一つですが、その知識がこれから組織に向き合いはじめるデザイナーの後押しになれば幸いです。
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