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評㉞の1~新宿末廣亭八月中席・夜の部神田伯山主任公演、3880円

 新宿末廣亭八月中席・夜の部(落語芸術協会)神田伯山主任公演、チケットぴあの抽選で取った、自由席3880円(3000円+各種手数料)、他にもクラウドファンディング付きの料金高め設定のチケットあり。
 場所は勿論、新宿三丁目の寄席、新宿末廣亭。

 ベタに、講談師・六代目神田伯山(39)目当て来た。大人気で、チケット抽選に何度挑んでもなかなか当選しない。今回は幸運にも当選。

初講談体験は、2019年1月の松之丞「中村仲蔵」

 自分は日頃、寄席に足を運ぶタイプではない。落語も、テレビで日曜夕「笑点」を見ていた程度(テレビ壊れ、最近は見てない)。公共ホールでの落語会は行ったことがあるが、「後の方が出てくる人の方が噺が上手い」と知る(当然だが)のみ。知り合いに、大学の落語研究会出身者がいたり、芝居の勉強のために学んでみたりする人間がいたり。そのくらい。

 まして講談をや、である。
 が、講談を初めて(生で)聞いた(記憶が鮮明な)のは、3年半余り前、松之丞時代の神田伯山(どこかで何かの折に、イベントの余興などで講談は聞いてるかもしれないが、記憶が鮮明でない)。講談通(ほぼ専門家)の話で、「チケットのとれない講談師」と噂を聞き、軽い気持ちでチケットぴあ、確か抽選でとった。「へー、とれるじゃん」。
 2019年1月28日(月)18時開場@新宿・全労済ホール、3000円(手数料など除く)。だった。自分が、舞台をある程度観始めたのは2019年からなので、舞台鑑賞の初期でもある。

2019年1月、初めて講談を聴いた時は、松之丞「ダイジェスト版 中村仲蔵」

 その時、現伯山、二ツ目の松之丞だったが、既に真打昇進は決まっていたし、松之丞がその話題も取り上げていた。Wikiだと「2018年12月の落語芸術協会理事会で、2020年2月より(松之丞から伯山への)真打昇進を承認」。全労済ホールの一席は2019年1月、真打昇進が決まった直後だった。
 ホールで出演する他のメンツも、「お客さん、松之丞目当てですよね」とやや自虐的。仕方ない。人気者は興行に必要で、winwinの関係なのだ。紙切りは面白かったような。落語がメーンだが、もちろん、松之丞が全部持ってった感じ。

 その時、全労済ホールで松之丞が披露した演目は、ご存じ「中村仲蔵」。血(筋=家柄)のない歌舞伎役者が、最下層の稲荷町から一番上の名題に大出世し、嫌みのように充てられた「弁当幕」の斧定九郎を見事に演じきった人情噺だ。もとい古典落語の演目だが、松之丞が得意とするところ。
 その時の私の日記(紙)メモが残っていた。それは
 「ダイジェスト25分版の中村仲蔵、(俳優の)加藤雅也似、、声がいい、迫力がある。最後の方ぞわっときた。いい! 客席から『さかいや(=堺屋、中村仲蔵の屋号)!』と声かかると、ああ、なるのか~と思う」
 初々しい自分w、紙のメモは大切(ネットで書き始め、今はおろそか)。

 その頃の自分は、「中村仲蔵」などとんと知らぬずぶの素人。ラッキーだった。松之丞が、伯山襲名の真打昇進時に選んだ得意演目だったと後で知る。私自身もその後、仲蔵を多少勉強した。有名な『仮名手本忠臣蔵』がおおもとの芝居の筋であり、非常になじみやすい。Youtubeで視ても伯山の仲蔵は伝わるものがあった。やはり、迫力、だろうか。

 さて、それ以降、伯山のチケットは落選続き、今回やっと二回目。
 ちなみに、伯山の師匠、神田松鯉(しょうり)(79)は以前、お江戸上野広小路亭だったか、で別のお弟子らの発表会の後に一席聴いたことがある。今回の末廣亭八月中席でも、中入り前に登場する。

屋外行列の後、新宿末廣亭に初めて足を踏み入れる

新宿末廣亭前。下部左に昼の部の昇太、同右側に夜の部の伯山・遊雀(交替出演)と、「主任」の名。昇太の名の左上(蛍光灯下)に、夜の部の出演者の札が並ぶ(当日変更あり)、右側が昼の部

 で、新宿末廣亭は、というと、こちらも自分は初体験。飲食店や劇場、映画館がある界隈のため、その前はよく通り、気になっていたがようやく機会が訪れた。
 さて、当たったチケットは自由席で「整理番号」がある。
 開場までまだ30分ほどある時点で末廣亭前に行くと、人がちらほら、外観の写真を撮ったりしている。浴衣の兄さん姉さんたちが、「チケットをお持ちの方、〇〇番から〇〇番はこちらで」と、ぞろぞろ客を引き連れていく。近くの人と整理番号を照らし合わせ、行列に並ぶ。
 どうやら、200人くらいを4グループに分け、その辺の飲食店前に番号順に並ばせているらしい。ふう、酷暑日や大雨の日でなくてよかった。夕方近くなり、外気温は30℃は切っているようだし、風もやや吹いている。

 やがて、行列が動き出し、ぞろぞろ末廣亭に入っていく。
 こんな案内を折りたたんだ形でもらう。

 場内はこんな感じ。舞台の上に提灯。

新宿末廣亭1階席。上手(向かって左手)の桟敷通路の舞台横奥にトイレ。舞台上の天井近くに提灯が11個ほど並ぶ。舞台の上にかかっている額は、ネットで紹介される「和気満堂」だったか不明

若い人多し、トイレは和式が多くて驚く

 客は、結構若い人も多い。20-30代? 伯山人気か。寄席の客というと「おじさん」「おじいさん」のイメージだが(すみません)、こういうとこ、若い客を引き寄せる意味合いはあるかも。
 トイレに行く。1階席女性トイレは個室4室(2階席は不明)。確か、和式3つに洋式1つ。これは驚いた、今時、和式の方が多いとは。中高年の客も多くて腰に来るだろうに、洋式をもっと増やすべきではないだろうか。経営難でクラファンもやってるくらいで、こういうところに金が回らないのか。でも、なあ。
 
このトイレ、中入り(休憩時)は20人くらい並んでいた。

 と思ったら、ざわめきがまだ残る中、一人の若者が舞台に上がった。
 前座である。始まった。

当初の出演順
実は、結構入れ替わっていた

 長くなったので、1はここまで。2は後日。

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