評⑬ヨーロッパ企画『九十九龍城』@本多劇場5500円、「密」だ
※ネタバレあり
東京公演は終了したが、2月中まで全国各地で公演あり。
2022年の観劇初めとなりました。翌日観ようとした別の劇は中止。さて、今年はどこまで観劇できるやら。
ヨーロッパ企画第40回企画『九十九龍城(KYUJU KOOLONG JO)』@本多劇場(東京公演)全席指定5500円。休憩なし2時間。
すみません、お初です
ヨーロッパ企画の芝居は初めて見た。というか、名前も昨年、通常多いA4判より一回り小さいB4判(?)チラシ(フライヤー)が目に付いて知ったレベル。でも、40回……と思ったら、京都拠点、もともとは同志社大生のユニットから誕生した、コントコメディを得意とする劇団なのだな。主宰の上田誠さんは2017年「来てけつかるべき新世界」で第61回岸田國士戯曲賞受賞だし、べつ作品はそれよりかなり前に上野樹里ちゃんの出た映画にもなってるし、テレビとか映像でも活躍中なんだ~。いやー、まだ知らないことだらけである。精進精進。
……と、ここまでは、芝居を観た後に、パンフやらWikiやらで調べた。
芝居そのものは、何だかわからないまま、みた。
密、だ。
九十九龍城が、九龍城を掛けた魔窟劇なのはわかっていた。
それ以外の前情報を持たずに観る。
舞台が、密、だ。舞台美術が。初見は、そこに転がっている人間がうようよ動いていたので、ゴーリキー『どん底』的な雰囲気も感じた。二階建て地下あり、横は3分割くらいだが、単純なそれではなく、体を斜めにして隙間をすり抜ける場所もあった。舞台美術そのものは縦横で、斜めの導線はなかったと思う。後で読んだパンフだと、台本より先に舞台美術ができてしまうとか、さもありなん。
映像を入れ込んだ。その映像の中であるものが縦横斜めに動き回った。映像の使い方は奥行きを感じた。
コントが、密、だ。自分に前情報はないが、コントをやっていることは開演まもなくわかった。なーるー。それが、細かく仕切られた区画の中でいちいち丁寧にやってて、その間、他の区画でも別の役者が動き回っとる。密だ。
……早いぞ、密だぞ、で、もはや若くない自分の頭が疲れ始める。うーん、出ている役者は必ずしも若くないのがいるが、よく身体が持つな。やはり役者は体力勝負だな。わしには無理な世界だ~
……と思っていたら、ゲームが出てきた~。うわー、そう来るか。もう頭回らん! 流れに脳みそを任せてしまえ!
……で、最後はちゃんとお芝居らしく終わる。よく見たら、いわゆる「繰り返し」の術を随所に使っていて、それもコントなんだな。
劇団だから出来る系か
という、少なくとも自分にとっては「密」な芝居だった。頭を相当使って楽しむか、理解するのを忘れて全身を預けるか、どっちでもいいのかな。いずれにしても、頭の回る人がこれでもかこれでもか、と入れ込んで作った芝居に感じた。また、ユニットではなく劇団だから出来る感、があるような。
パンフレットも密
で、芝居を観た時点では周辺情報がないので、「みっちり詰まってます」と舞台上で宣伝していたパンフレット(1200円)を買う。開く。うぎゃああ。字が細かい。ビッグイシューもびっくりだ。確かに、情報量は多いぞ、密だ。正しく間違っていません! うん。でも、虫メガネが必要かもしれん。ほんと、まだ全部読めていません。
なんか、ほけーとした芝居を見たくなったかも。いや、これはこれで充実したものを観た感満載でお得だと思うのだが、満載過ぎて、頭が疲れたんである。。いや、凄いです。コントできるのは尊敬です。今後も活躍を期待。
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