『あんのこと』『愛なのに』|2024:映画の記録 vol.27.5
(前回はこちら)
はじめまして、京です。
水曜日が休みなこともあり、華金みたいな嬉しさがある火曜日。一週間も経たずして、ややネタ切れ感のあるオープニングトーク。そんなオープニングトークの難しさと偉大さを痛感する1日。
では、さっそく↓
『あんのこと』
↑前回の続きになります。もし良ければご一緒に
喜怒哀楽すべての感情が揺れ動く多く本作。昨日も書いた通り、今日は物語とくに感情が揺れ動いたシーン(チャプター)について。
・はじめてもらった給料のチャプター。
昨日も少し書いたが、やはりここの流れは外せない。その使い道(多田羅へのヨガマット、家族へのケーキ)によって、彼女の優しさがよく分かる。
さらに手帳を買うシーン、少し周りを見渡す素振りを見せるのが、おそらく万引きを繰り返しできたそれまでが表れていて良かった。
前向きにこれからを歩もうとする彼女と、いつでもそれまでに戻ってしまう瞬間があるのだと示唆しているようで複雑な心境になる。
その結果もとても胸が締め付けられた。
そんなせっかくのケーキの扱われ方。祖母の「ありがとう」と言葉にして感謝を伝えないところに「してもらうことへの当たり前の意識」を感じた。杏ちゃんが思っているほどいい大人ではないことが伝わる。
母親が帰ってきてからはもはや目を背けたくなる。母親から暴力を受けるシーンも大切そうにヨガマットを守り続け、母親の鼻血を懸命に拭くその姿は痛ましいという言葉に他ならない。
そしてそんな家から逃げ出して後、河川敷で多田羅が発見したときの姿。あの状況からヨガマットだけを持ち出したところに、多田羅への縋る気持ちが見え、さらに胸が締め付けられた。
そんな大人への失意のさなか、すべてを察したような多田羅の「大丈夫」という声かけと抱擁。彼女の多田羅が来てくれたという安心の気持ちと、再び薬物を使ってしまったという(ラストにも繋がる)自責の気持ちが表れたような演技に、より一層胸が締め付けられる。
冒頭わずか30分ほどで2人のキャラクターがよく分かり、涙すら流れた。この作品が大切なものになるという直感と、河合優実さんの存在感に震え上がった瞬間だった。
私、思っていた以上にこの作品のことが大切なのだと書いていて気づけた。本当はもっと書いていく予定だったのに、1チャプターでこんなに書けるとは。
『愛なのに』
"一石二鳥な一作"
『あんのこと』で河合優実さんが気になった私が、選んだのが空気感が大好きな今泉力哉さん脚本の作品。面白い作品を引いた。
今泉監督のオフビートで青春恋愛、パートと城定監督の少し大人で偏った愛、そんなW脚本らしい2つのパートで構成された作品。
やや言い方はあれだが、「VS映画」のような(もちろん戦う訳では無いが)2つの色がが楽しめ一石二鳥の作品だった。
多田と佐伯の関係、岬の両親が多田の家に押しかけるシーンを見て、(「どんな形でも」そんな言葉を添えることができ)タイトル意味が理解できた気がする。
そんな河合優実さん出演の2作。
『ルックバック』『ナミビアの砂漠』まだまだ予定はたくさん。『あんのこと』もまだまだ書きたいことあるので、次はかなりのボリュームで書く。
かぞかぞもふてほども見たので書きたいなと思いつつ、ドラマは膨大な量になりそうだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
32日目。
はじめての小数点、ボリュームナンバー。