5年後に退職する新卒サラリーマン【第二章】 (10)
第一章 <激動の就活編> は、こちらから。
安斎は激怒した。
必ず、かの学歴差別の土田を除かなければならぬと決意した。
安斎には数学がわからぬ。安斎は、SAPIXどころか公文式さえ存在しない東北の村出身である。数学が苦手で、センター試験に失敗して地方の大学に進学した。けれども学歴ディスに対しては、人一倍に敏感であった。
・・・。
いいか。4月から新社会人になるみんな。
就職という新たなステージを迎えた高揚感と、爽やかな春の陽気に浮かれても、絶対に、絶対にやってはいけないことがある。
学歴差別だ。
学歴差別は、やめてくれ。私だって、入れるもんなら早稲田とか慶応に入りたかったさ。キラキラした有名な大学で、ミスコンとか、学園祭とかで浮かれたかったさ。
でも、無理だったんだ。とてもじゃないが、入れなかったんだ。数I・Aの点数が、15点だったから。
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頂戴したチップで「餃子とビール」を購入させていただき、今後の執筆活動に役立てたいと思います。安斎に一杯おごりたい方は、ぜひチップをお願いいたします。