5年後に退職する新卒サラリーマン【第三章】 (8)
第一章 <激動の就活編> は、こちらから。
第二章 <戸惑いの新入社員研修編> は、こちらから。
「西日本営業研修センター本部、寺島です。あなたたちの、そのしみったれた根性を、叩き直すために来ました」
「鬼」が、降り立った。
セフィロスみたいな威圧感。
五条悟のような眼力。
湯婆婆を彷彿とさせる見た目。つまりBBA。
「まったく…… "新入社員" というのかい? 贅沢な名だね……
今からお前たちの名前は ”ゴミ” だ。いいかい、”ゴミ” だよ。分かったら返事をおし!! ”ゴミ” !!!!」
なんという辛辣な言葉。「オパンティー営業のすべてを知る」「オパンティー界のコッカラッス」「全力パワハラ皇帝」とも呼ばれる最古参トレーナー。寺島カオリ。52歳独身。
株式会社L&Ps(ラブアンドパンティーズ)西日本の重鎮。お局の中のお局。全日本お局界のリーサルウェポン。
恐らく30年前のバブル崩壊を見てきた者達の一人だ。面構えが違う。コンプライアンスなんてクソ喰らえ、という顔だ。
オパンティー業界のピークは1980年代。日本の高度成長期、世間では「一家に一台、オパンティー」と言われ、七種の神器の一つとされた。
しかし……
その後のバブル崩壊、経済停滞、少子高齢化、ナタデココブーム終焉などの影響により、オパンティーの売上も衰退の一途を辿る。
いわゆる、「若者のオパンティー離れ」である。
頂戴したチップで「餃子とビール」を購入させていただき、今後の執筆活動に役立てたいと思います。安斎に一杯おごりたい方は、ぜひチップをお願いいたします。