No.34 - 新卒ファーストキャリアでは、あまり良い会社に入ってはいけない
こんにちは、安斎響市です。
就活の時期ですね。毎年この時期には、就活中の学生の方からの質問やコメントなどが増えます。私のTwitterフォロワー約4万人のうち、一定数は学生の方だと思います。
私は過去に、あまり「新卒の就活」に特化した記事は書いていません。下記の3つくらいです。
これらの記事に書いてあるのも、就活攻略のテクニックというよりは、就活の考え方・指針といった内容です。
なぜかというと、新卒の就活って「攻略法」「テクニック」などが通じる世界ではないからです。
中途の転職活動には、明確な「攻略法」があります。しかし、新卒の就職活動には、特効薬のような「攻略法」は恐らく存在しません。
中途採用であれば、自分の過去の職務経歴を「誰に」「どうやって」売るかという戦略と駆け引きが成り立ちますが、それと同じことをやるのは、学生には無理です。ビジネスパーソンとして売り物になる「実務経験」がない人には、企業に対して経験を売ることはできません。
就活って、7割くらいが「学歴とスペックの戦い」です。Twitter上に無数に転がっている「就活のテクニック」をいくら実践したところで、学歴フィルターで一発アウトです。Twitterでインフルエンサーが言っていた内容をコピペしても、面接では「ああ、なんかこの人、前の人と同じようなことをペラペラ喋ってんな~」と思われて落ちるだけです。そういうものです。
信頼性の低い情報を口八丁で振りかざして、毎年毎年自動的に入れ替わる無知な就活生をターゲットにして儲けようとする商売って、本当に悪質だと思います。
私はそういうのは嫌いなので、就活のテクニックなどについては書きません。本当に就活で勝ちたいなら、小手先のテクニックではなく、地道に自分のスペックを上げるしかありません。(詳しくは、過去の記事に書いています)
さて、今日の本題は、新卒のキャリアについてです。
新卒の「ファーストキャリア」の意味するところ
新卒入社する会社の正しい選び方
新卒入社で失敗したとき、どうすればいいか
などについて書きます。
新卒入社は、できるだけハイレベルな会社に入った方がいい?
今や、転職をするのは「当たり前」の時代になりました。
正社員として働く20~50代男女のうち、2人に1人が転職活動を経験しているというアンケート調査結果もあります。
「過去に一度も転職活動をしたことがない」という人の方が、実は、圧倒的に少数派です。
この前提に立てば、新卒入社した会社でずっと定年まで勤め上げるという考えはあまり現実的ではなく、どこかのタイミングで自分もいずれ転職するだろうという意識を多少は持っておく必要があります。
「終身雇用」「定年退職」という旧時代の価値観は、もう通用しません。
新卒入社する会社は、あくまで「ファーストキャリア」でしかなく、今後の人生で何度も訪れる選択の中の「最初の一手」に過ぎないということです。
そして、私が結構大事だと思っているのは、
新卒には、「新卒」ならではの企業選びの考え方がある
新卒のファーストキャリアでは、あまりレベルの高い会社には入らない方が良い
ということです。
え? なんで?
優秀な人が集まるハイレベルな会社に入った方が良いに決まってるじゃん!
と思う人もいるかもしれません。私も、以前はそう思っていました。
考え方が変わったのは、最近です。
現在所属する会社(外資系大手IT企業)の私の上司、つまり、事業部長と先日2人で飲んでいて、私がこう聞きました。
「ウチの会社、新卒を育てる気もないし、新卒3年目とかでも平気でクビ切るじゃないですか。しかも、数年経って成長した超優秀な人も、結局は他の会社に移って行っちゃうし。なんで、新卒採用なんて面倒なこと、毎年やってるんですかね?」
私は、単純に疑問だったんです。
外資系のサバイバル環境で、一切何の教育もしてあげないのに、「育てるつもりがない新卒」を、なぜ毎年採用するのか? と。
この質問に対する上司の返答に、私はとても驚きました。
「安斎さん、それは良い質問ではあるんだけどさ…… 実は、単純に…
頂戴したチップで「餃子とビール」を購入させていただき、今後の執筆活動に役立てたいと思います。安斎に一杯おごりたい方は、ぜひチップをお願いいたします。