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5年後に退職する新卒サラリーマン【第四章】 (11)
第一章 <激動の就活編> は、こちらから。
第二章 <戸惑いの新入社員研修編> は、こちらから。
第三章 <空前絶後の広島出向編> は、こちらから。
その翌朝、安斎は、前田部長に呼ばれた。
「安斎君、ああいうのはさ…… 先に言っといてくれないとさぁ。宴会の途中で3分くらいでスピーチをお願いしますとか、事前に連絡がもらえないとさ、やっぱり。私も… いかに喋りなれているとはいえ、さすがに、その、準備ってものがないと! 急に言われてもさ!」
「はい、大変申し訳ございません。。。」
「……鈴木さんにも、『部長なんだからしっかりしてくださいよ!』って怒られちゃったじゃないかァ」
「はい、大変申し訳ございません」
「まあ、君は新人だから仕方ないけど…。次から気を付けてよね、まったく」
「はい、大変申し訳ございません。失礼いたします」
昨夜の宴会での、前田部長のスピーチの大失敗は、「私が事前にスピーチがあることを伝えなかったから」だと、結構キツめに怒られた。
(・・・。部署全体の飲み会なんだから、そりゃ、部長のスピーチくらいあるだろ…… というか、アドリブでも上手く喋ってくれよ、部長なんだから。)
という文句は心の中にあったものの、とにかく、しきりに謝った。申し訳ございません、と謝罪を繰り返した。
しかし…
「鈴木さんにも怒られちゃった」って、何だ??
エリカ様、そんなに強いのか??
頂戴したチップで「餃子とビール」を購入させていただき、今後の執筆活動に役立てたいと思います。安斎に一杯おごりたい方は、ぜひチップをお願いいたします。