5年後に退職する新卒サラリーマン【第二章】 (3)
第一章 <激動の就活編> は、こちらから。
そして、あっという間に春が来た。
3月。埼玉国際大学(通称クサ大)グローバルダンシングオールナイト学部を卒業し、ついに、社会人となる時が来たのだ。
クサ大は、偏差値49の地方国立大学で、お世辞にも「高学歴」と呼べるような大学ではない。(偏差値50以下なんだから当たり前といえば当たり前だが)
国立大学というだけで高学歴だから就職に有利じゃないか、と言う人もたまにいるが・・・某メディアが発表している「就職に強い大学ランキング(最新版)」では、堂々の200位圏外、クサ大の名前は、そこには無い。
日本にある大学の数が全部で750くらいであることを考えると、実は、上位25%にも入れていないのである。
国立大学といっても、現実はこんなものだ。
数年前には、
「グローバル教育に力を入れている印象を与えれば、就職が有利になって、親御さんにもアピールができ、学生が増えまくるんじゃないか? いや、ちがうか? とりあえずグローバル色、出してこうか??」
という学長の天才的な思いつきで、
元々あった「教養学部」を「グローバルダンシングオールナイト学部」に名称変更したのだが、あまり意味はなかったようだ。
学長渾身のキラキラネームが泣いている。
日本の大学が「就職予備校」と呼ばれるようになって久しい。
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