元飛込日本一選手が、ドラマホリック!『DIVE!!』第6話を見て書き殴った
この文章は現役ハイダイビング選手(元飛込日本一選手)から見た『DIVE!!』ドラマレポートです。
所々ネタバレや常軌を逸した(頭の悪い)表現が含まれます。
それでもOKであればぜひ最後までお読み頂けると幸いです。
(まとめる関係上、実際の流れてくるシーンとは違う順番で解説する場合があります。また、権利問題対策のため画像も控えめにしていきます...ご了承くださいませ...!)
〜INTRO〜 5話から6話の架け橋
5話はMDCの選手達のレベルアップと知季の4回半への挑戦が主に描かれていました。 主役3人の切磋琢磨して汗を流すシーンが輝いていました。
知季のあくなき四回半への挑戦、要一の自分のスタイルへの葛藤、飛沫のプライド。6話は競技にかける思いがぶつかり合います。
順位がはっきりと決まる試合。それぞれ実力がはっきりとわかった後、選手達はどう変化していくのか。
全力で挑んだ先に見えたものは...? 3人に待ち受ける展開は...!激情巻き起こる第6話!振り返っていきましょう!
MDC いざ出陣!
選考会を前にチーム一同で話し合うMDCチーム。オリンピックへの架け橋となる大事な試合。アントニオ猪木の言葉とともに気を引き締める一同。
試合が始まる前のアップスペースで緊張感が漂っているシーン。
試合前の練習を終えて集中している面々。試合ならではの選手たちの距離感が忠実に再現されていました。
キャストオフ!
すると飛沫が突然ジャージを脱ぎだして「一位さ、取ってくるッ!!」と言い出して試合開始前なのに飛び出そうとします。あわてて陵とレイジが止めに入ります。どんな思考回路の末の奇行かは謎ですがきっとアガっていたのでしょう。(?)
基本全国規模の試合になると試合前に選手紹介があります。競技順・氏名・所属チームのアナウンスがあり、順番に観客席等に見えるように紹介されていきます。この紹介と審判の紹介がされてから試合はスタートします。
この時にガッツリアピールする人もいれば控えめに一礼するだけの選手もいます。選手の競技以外でキャラクター性が見える貴重な瞬間なので、実際に試合を観戦する際は注目してみてください!!
暴走気味の飛沫を強引に止めた際に言い合いになります。チョコバットやらからし色やら特徴無しで普通で小さい(意味深)などなど...
さらに突如指笛を吹いて割って入ってきた要一のクセ強ライバル(?)ピンキー山田!飛沫の啖呵にかき消されましたが(扱い雑ゥ!!)実力者が勢ぞろいの試合となります。
○ ○ ○
試合を制するのは!?3枠を勝ち取れ!
強化合宿の枠を勝ち取れるのは3人。全国区でオリンピックの強化選手の選考会のため演技の本数は6回。12人の選手が順番に演技を行います。
飛込競技の試合はラウンド制で各選手1ラウンドに一回ずつ演技を行います。一度に全種類飛ぶわけじゃないので試合時間は意外と長いです。
自分の飛び順が来るまで緊張状態が多少続くのでメンタルの部分で疲労することが多いです。練習とはまた違った負荷のかかり方があります。
(アップスペースです)
3ラウンド目が終わった試合中盤、要一が1位、飛沫が2位、知季は6位の位置にいます。そんな中、飛沫と麻木コーチが言い合いになっています。
「気付いてないんでしょうけど、あんたびびってんのよ!だからあんなみっともないダイブになった!」
「いつもより空中演技が小さいじゃない!」
「長年やってる奴らより俺の方が上なんだからいいだろーが!」
「俺がここにいるのはジジイのことを知るためだ。ジジイのダイブでラスト勝たなきゃ意味がねぇ!!」
大胆不敵かつ豪快な演技がウリの飛沫ですが人生初の試合の為、無意識下で緊張を感じていたのでしょう。麻木コーチには演技の動きが少々萎縮していたように見えたのでしょう。
飛込競技の試合は選手からしたら、体力もですがメンタルもかなり重要な要素です。ここぞという時に成功させる精神力、試合の流れに左右されない平常心を保つ心構えが必要です。
飛沫に試されているのは飛込選手ならではの問題。自分の持ち味を出し切り代表権を獲得できるのか?ここで勝負強さが試されます。
○ ○ ○
最終6ラウンド目が順位が決まる一本です。主役3人の中でまずは飛沫。演技スタート直前に恭子や麻木コーチの言葉がフラッシュバック。祖父が求めたものは何なのか?試合という舞台で真意を知るために6本目のダイブに全てを賭けます。
「舐めやがって...」
助走から繰り出された演技はまさに豪快。会場内の全員を沸かせました。巻き起こる拍手に納得のガッツポーズ。
しかしプールから上がった途端、緊張の糸が切れたのか腰の痛みが再発してしまいます。麻木コーチの介抱を遠慮して1人で救護室に向かう。現時点では出し切った飛沫はひとまず離脱します。
次に要一の順番。既に点数では高得点を出さなくとも1位になれる点数をとっています。そんな状況でも慢心することなくほぼ完璧に近い演技をして周囲を突き放して独走一位になりました。
しかも入水技術にて全く水飛沫が上がらない「リップクリーンエントリー(クリーン)」を決めて演技を終えました。
前日に見た中国人選手の精密な演技にインスピレーションを受けたのでしょう。自分の強みであるミスのない演技を出し切ってトップの座につきました。
残るは飛び順ラストの知季。超高難易度の前宙返り4回半。ラストにこの種目を持ってくるのは相当緊張すると思います。無名選手の大いなる挑戦を会場中が見守る中、覚悟を決めて飛び出します。
成功するのか...!?
回転は悪くなかったですが入水の姿勢に移行するのが早すぎて角度がつかないまま着水となってしまいました。知季本人は煮え切らない様子でしたが審判や役員一同目を見開いて驚きの表情でした。ここで試合は終了となります。
試合が終わり帰り際に知季と麻木コーチが向かい合っています。
「あとは入水だけだった。この大舞台で4回半回れたことは大きい。」
「でも、結局ダメだったじゃないですか...」
「そんな簡単じゃないことはわかってたでしょ?」
誰もが無理だと思いたくなるような挑戦。しかし知季は真正面からぶつかって行きました。全力で、生まれて初めて本気になって立ち向かって行きました。
この経験を通して知季は身も心も大きく成長しました。
「悔しい...勝ちたかった...負けたくなかった!自分にも...他の誰にも!」
「それが一番の収穫。あなたは死ぬ気で挑んだ。そして負けた。痛いでしょう?心が。」
「すげー...痛いです...」
「痛みでしか、獲れないものがある。」
「よくやったね。」
勝敗関係なしに、初めて本気になれた知季をしっかりと労う麻木コーチ。
結果はどうであれ選手として十二分に収穫があったと言えるでしょう。筆者も何もかもを賭けて負けた時の記憶を思い出して泣きました。認めるところはすかさず認める。麻木コーチは指導者の鑑です。
こうして激闘の選考会は幕を閉じます。
○ ○ ○
試合の後、切り替えるべき気持ち
自分の中の全てをかけて挑んだ試合の後、結果が振るわなかった時の選手の様子がとてもリアルに演じられていました。引きずり方などまさにその通りでした。
知季が悔しさの残る中帰宅すると、坂井家+未羽が精一杯出迎えてくれました。個人的に納得がいってない結果だとしても温かく労ってくれる人がいる環境は素晴らしいです。
やはり肉は全てを解決する...
頑張ったご褒美の焼肉パーティー、試合後の気分転換は確かに大事です。家族との団欒の後、未羽と夜風にあたりながら散歩します。
久々に2人きりになれた知季と未羽。今回の試合は未羽も弘也と配信で試合の様子を観戦していました。
やっと二人きり!
「今日、改めてトモのことすごいなって思った。」
「気分転換すれば、また頑張れるよ。」
結果に納得できずもやもやしている知季を優しく労ってくれる未羽。筆者も高校生の時にこんなにスーパー優しい彼女がいたらどれだけやる気になれたか...
ぐう”う”う”う”う”う”う”う”ら”や”ま”じぃぃぃぃ!!
たらればですね。はい。
謙遜する知季に痺れを切らして未羽が知季との距離を詰めます。そして目を瞑ります。これはあれか?そういうやつか?ついにいっちゃうのか?未羽の肩を掴む知季。
やれ!!いけ!!男を見せろ!!いけぇぇぇ!!と筆者の中の小宮プロが激励していました。
全瑞稀担刮目のシーンですが...!
しかし知季はそんな気分になれなかったのか、未羽から離れてしまいます。
???
「未羽...今日は帰るね...ごめん...また明日っ!」
?????????????
数秒ほど理解に苦しみましたがすぐにわかりました。それほどまでに知季の気持ちは試合の結果によって打ちのめされていたのでしょう。
心がぶれて中途半端な気持ちのまま未羽とも向き合えなかった。真面目か!!!
しかしそこはやるべきだった。未羽が勇気を出してのことならなおさら。
筆者の中の範馬勇次郎が激昂してしまいました。
漢ならばッッッッ!!!
この恋の行方はどうなるのか...未羽と知季は一体どうなってしまうのか!?
○ ○ ○
試合直後でも朝練は欠かさずやる知季と要一。(飛沫は怪我してるから...)
試合を振り返り、知季は負けることが苦しくて悔しいことだと思えたことを打ち明けます。
垣間見える先輩後輩感
「俺も要一君が言ってた、孤独の先にある喜びってやつを見てみたい。」
「その時には、俺はもっと先にいるけどな。」
「追いつくよ。絶対。」
お互いが同じ土俵に立つライバルだと認め合う瞬間。アツゥイ!!トップ選手と無名選手の戦いはまだまだ始まったばかり!
○ ○ ○
時は変わり、練習に向かう途中の3バカチームメイト。
陵が自嘲するように話し始めます。
いつもの3人組も...
「柄にもなく夢見てたんだよ。いつか俺を見出してくれるコーチが現れて、俺の隠れた才能に気付いてくれて、一緒にオリンピック目指そう!って」
「麻木コーチは、トモや沖津を選んだ。」
「俺は俺の精一杯やった。悔いは無い。」
「アスリートの世界って残酷だよなぁ!」
陵なりに全力を尽くして挑んだ選考会でも知季や飛沫には敵わなかった。結果が出てしまった以上差は歴然です。3人組の中でも実力差が明確になりました。
気持ちが吹っ切れたかのように振る舞いながら意味深なことを言う陵。しかし以前とは違い3人の仲はゆるぎません。今後も3人はきっと笑い合うことができるでしょう。これもまた、青春。
○ ○ ○
選ばれたのはMDCから2人!
強化選手の確定が日水連から連絡がありチーム全員の前で発表されました。一人目は要一。これに関しては満場一致でしょう。競技成績も申し分ない納得の采配でしょう。
そしてMDCからもう一人選出されたことを富士谷コーチが告げます。選考判断として「将来性と、インパクトのある飛込をした選手」が選ばれたそうです。そこで選ばれたのは知季でした。
順位から見れば2位になった飛沫のはず。聞けば選考を辞退させたと麻木コーチが告げる。知季も納得がいかず、そもそも飛沫の気持ちも蔑ろにしているのではないかと指摘。
辞退の理由は腰の怪我です。セービング技術未修得のままの競技続行はあまりにも無謀です。以前から富士谷コーチと麻木コーチが懸念していた事態が今回の腰痛で見過ごせないレベルに達したのでしょう。
非情な現実に飛沫は...
根本的に治療と対策を練らないまま合宿などに参加しても悪化するばかりかその後の選手生命を脅かしてしまうと踏んだのでしょう。飛沫からしたらやりきれないし納得できない。
おこぼれに近い形で強化選手の枠が回ってきて一度は拒否する知季。しかし合宿に行きたくてもいけない選手、飛沫の分まで成長してくることを麻木コーチから指令されます。
環境まで変えて全てを故郷に残して挑んだ飛沫の慟哭が痛ましく映ります。
練習から帰った知季、家に着いたらクセの強いシャツを着た飛沫が玄関前にいました。今は訳ありな二人。飛沫は一体なぜ坂井家の前に?真相は次回に続く!と言うところで6話は幕を引きました。
○ ○ ○
まとめ
試合での緊張感や試合後の対人関係でのやりとりが個人的には生々しくてなんだか懐かしさを感じた6話でした。
代表合宿に参加する知季と要一。腰の負傷を抱えた飛沫はどうなる?
そして更なる強化を図って半年後のオリンピック選考会に向けて3人はどう動くのか?
試合が終わり、ひと段落ついたものの、また次の目標に向けて走り続けないといけないのがアスリート。高校生3人の青春スポ根劇はまだまだ終わらない!
第7話は 5月26日(水) 0時放送です!お見逃しなく!
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