筋肉の男
第28投稿は筋肉の男について書いてみたいと思います!!
フィクションですが本当にいるのを想像してみて読んでくれると嬉しいです!
では、どうぞ。
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ある街で「筋肉の男」と言うのが話題になった。
筋肉の男は顔を公に見せないが多くのファンを引きつける魅力があった。
そしてグッズなどが販売されると人々は真っ先に買い求め、その中でも特にグッズ集めに夢中な人は「筋ラー」と呼ばれるようになった。
俺もその一人だった。
ある日、俺は普段はもったいなくて着れない『筋肉の男』と描かれたTシャツをクローゼットから取り出した。
今日は2ヶ月に一度の「筋肉の男交流会」だ。
とびっきりのファンと言う事を見せつけなくては。
俺は唯一の楽しみをしに、歩き出した。
歩いている時は暇だから君の質問を聞いてやろう。
え、筋肉の男の顔みて見たくなんないのか?って。
う〜む。難しい質問だな。
そうだ。俺の昔の話を例にして答えてやろう。
俺は筋ラーと言う言葉が流行り始めた頃、筋肉の男交流会に参加した。
初めての交流会、俺は自己紹介をした。
「山下武久33歳です!!!
よろしくお願いします!!」
俺は張り切った。
トークタイムは他のメンバーの何倍も話したし、みんなもそれを暖かいめで見てくれた。
だからかもしれない。
やらかした。
「せっかく交流会があるんですから、筋肉の男の正体を突き止めましょうよ!!」
その瞬間みんなの顔が変わった。
明らかにバカの俺でも分かった。
そして変な空気で交流会が終わった。
みんな優しく笑ってくれたがさっきのような愛想の良さは消えていた。
なぜだろう、と思いながら公民館の階段を降りていると会長の渡辺さんが
「これからちょっと空いてないか?
近くの居酒屋で一杯でも。」
俺はその誘いに乗った。
土曜日だったし、彼女もいないし、友達もすくなく予定などあるわけが無かった。
居酒屋につくと早速俺はハイボールを頼んだ。
しばらく飲んでいると渡辺さんが喋り出した。
「今日、君が筋肉の男の正体を突き止めたいと言ったろう。
みんな微妙な反応したと思わないか?」
「思いました!!!」
やっと仲間ができたと思いホッとしてると渡辺さんがレモンサワーを飲み干して再び口を開いた。
「あの人たちは真の筋ラーなのだよ。
本当に筋肉の男が大好きだからこそ突き止めようと思わないんだ。
筋肉の男は自分を公に晒したくないのだろう。
その思いも無視して指名手配の犯人みたいに君は突き止めると言った。
筋ラーなら突き止めることはきっと出来るけどあえてしてないその理由を考えて欲しい。」
俺は予想外の言葉にびっくりしたが我に返って真の筋ラーになると渡辺さんに言ったんだ。
俺の話はここまで、公民館着いちゃったからね。
渡辺さんはもう公民館には来れない寝たきりの状態なんだけど。
公民館の人はみんな渡辺さんのこと大好きで筋ラーのグッズも届けてあげてるんだ。
お、今日は新メンバーがいるのかな。
「榊原さん、おはようございます。」
「おーっ、山下さん。
どうやら今日は新メンバーが来るらしいですね。」
じゃあ、ここまで。
筋肉の男さん、
気づいてましたよ。
筋ラーの目は鋭いですからね。
だけど言いませんよ、誰にも。
筋ラーはあなたのことをきっと誰よりも思ってる自信がありますから。
完