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ストレングス・ファインダー「未来志向」を本当の強みに——あなたの夢が組織を変えるとき
私たちは日々の仕事や生活で、どうしても「苦手なこと」「足りないこと」に目が向きがちです。しかし本当にパフォーマンスを最大化し、自分らしい生き方を実現するためには「自分の強み」にフォーカスすることがカギになります。なかでも「ストレングスファインダー」は、自分の特性や才能を客観的に把握するツールとして多くのビジネスパーソンから注目を集めています。
本記事では、ストレングスファインダーの34の資質のなかから「未来志向」にスポットライトを当て、その特徴や可能性を深掘りしてみたいと思います。
「未来志向(Futuristic)」とは?
大きなビジョンを描く才能
ストレングスファインダーの資質のひとつ「未来志向」は、その名の通り“これから先の未来をイメージする力”に長けていることを示します。未来志向を持つ人は、今はまだ形になっていないアイデアや可能性をリアルに思い描くことが得意です。
彼らは「もしこうなったらどうなるだろう?」という問いを常に頭の中で巡らせ、ビジョンや新しい構想をどんどん思いつきます。そのビジョンは自分自身を鼓舞するだけでなく、周囲の人々をもわくわくさせることがあります。組織のなかでリーダーシップを発揮する際も、「理想の未来」を具体的に語ることで、人を巻き込み、行動を促す原動力となることができるでしょう。
“今”の課題より、“これから”に目が向く特徴
一方で、未来志向が高い人は「今ここ」に興味が薄れがちです。日常的な細かいタスクや目先の問題よりも、将来を見据えた大きな構想に意識が向きやすいのです。これは強みとしては素晴らしい反面、周囲からは「夢想家」「楽観的すぎる」「足元を見ていない」と捉えられることもあるかもしれません。
しかし、この“まだ見ぬ世界を描くチカラ”こそが未来志向最大の魅力です。ビジネスの現場でも革新的なアイデアを生み出したり、組織の方向性を示したりするうえで重要な原動力になり得るのです。
「未来志向」を本当の強みに進化させるには
ビジョンを具現化する“具体的な行動”を取り入れる
未来志向が高い人は、頭の中にあるアイデアや可能性を思う存分描けます。しかし、そのビジョンをどのように現実へと落とし込むかが課題になることが多いのも事実です。そこで鍵となるのが、ビジョンを具体的な行動にまでブレイクダウンするプロセスを身につけること。
たとえば新規事業のアイデアを思いついたとしても、「どう実現するのか」「いつまでに何をやるのか」といった具体案が曖昧だと、周囲の協力を得るのが難しくなります。未来志向が高い人ほど、壮大なイメージに意識が向きがちなので、少し意識的に“タスクレベル”にまで落として考え、周りを説得できる材料をそろえていくと良いでしょう。
ポイントとなる思考・行動例
ビジョンを書き出す: 頭の中にあるイメージを言語化・視覚化する
マイルストーンを設定する: 大きなゴールをいくつかのフェーズに分ける
小さな成功体験を創る: 周囲と共有しやすい、実行可能なステップを先に形にする
他者を巻き込むコミュニケーション
未来志向の強みを活かすうえで重要なのは“周囲を巻き込む力”です。自分だけがワクワクしていても、チームや組織を動かすには至りません。あなたの見ている未来のビジョンを情熱的に伝え、人々が共感できるような言葉に落とし込むことで、一緒に未来を作っていける仲間を得ることができます。
「未来志向」を強みにするには、単なる独りよがりの“空想”で終わらせないためのコミュニケーション戦略が欠かせません。自分の頭の中では完璧に描けているシナリオを、いかにしてほかの人の心にもリアルに想像させるのか。ここには一種のストーリーテリングやプレゼンテーションスキルが求められます。
ポイントとなる思考・行動例
感情を込めて語る: ワクワクする未来像を共有する
相手のメリットを示す: “その未来”がもたらす価値を相手の視点から伝える
双方向の対話を意識: 自分ばかり話すのではなく、相手の意見や視点を取り入れる
「いまの足元」を支えてくれる補完資質やパートナーを活用する
未来志向が強い人は先を見すぎるあまり、日々のタスク管理や実務処理がおろそかになることがあります。そんなときには「着実に物事を進めるスキルや資質」を持った人に協力を仰ぐと、お互いの得意分野を活かし合えるでしょう。
ストレングスファインダーでいえば「慎重さ」や「責任感」「アレンジ」といった資質を持つ人との協力関係があれば、ビジョンを定期的に振り返り、ロードマップを軌道修正しながら実行することがスムーズになります。また「未来を語る役割」と「実行をマネジメントする役割」を分けて考えることが、大きな成果につながることもあるのです。
もっと深く自分の強みを理解しよう
ストレングスファインダーは“入り口”にすぎない
ストレングスファインダーの結果を見て、「私にはこういう資質があるのだ」と納得することはとても有益です。しかし、その上位資質の“どこ”に自分の真の強みが隠れているのか、どうやってそれを最大限に活かすかは人それぞれ異なります。
ストレングスファインダーの結果はあくまで“ヒント”であり、その組み合わせからどんな行動特性が導かれるのかは、さらに深い自己理解が必要なのです。
強みを活かそうと思っても、なかなか日常の行動に落とし込めず、結局“自分のやり方”が変わらないままになってしまうことがあります。そこをサポートするのが「Gallup認定ストレングスコーチ」の存在です。
ストレングスファインダーの結果をもとに、コーチが一人ひとりの行動傾向や思考パターンを深く掘り下げることで、「実際にどのような場面で強みを発揮できるのか」「どうすればより大きな成果を生み出せるのか」といった具体的な行動指針を明確にできます。
思い描く未来への第一歩を、ぜひ一緒に踏み出してみませんか?