メンバーとの1on1、あなたは「アクノレッジメント」できていますか?
日々の1on1ミーティングは、メンバーの成長と信頼関係を築くための重要な時間です。この時間を有効に活用するために、「アクノレッジメント(認識と承認)」は欠かせない要素です。みなさん、ちゃんとこれできていますか?
アクノレッジメントできている1on1とできていない1on1では、その質に大きな差が出てきます。しかもこれ、結構意識してやらないと難しい……。この記事では、1on1ミーティングでのアクノレッジメントの重要性、その方法、具体的な実践例について詳しく説明したいと思います。
アクノレッジメントとは?
アクノレッジメントについて、正確な定義をしているのはコーチ・エイによるものだと思うので、そちらをまず引用します。
相手の努力や成果を認識し、感謝や賞賛を示す行為です。これは単なる「ありがとう」や「よくやった」といった言葉だけではなく、具体的な行動や結果に対して正確に認識し、それを伝えること。注意すべきは「相手に対する評価をなるべく加えない」というところ。このアクノレッジメントがうまく機能すると、メンバーの自己肯定感が高まり、モチベーション維持に非常に効果的と言われています。
効果的なアクノレッジメントの方法
アクノレッジメントを効果的に行うためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
具体的に伝える:例えば、「先週のプレゼンテーション、特にデータ分析部分が非常にわかりやすかった。クライアントからも高評価だったよ」というように、具体的な事実に基づいて伝えることで、メンバーは自身のどの部分が評価されたのかを理解できます。
タイミングを逃さない:良い行動や成果を見たら、できるだけ早くアクノレッジメントを行いましょう。遅れると、その効果が薄れてしまいます。1on1まで時間があるなら、slackやメールでクイックに伝えてみるのも良いでしょう。そして、1on1で「先日、slackしたあの件だけどさ」とさらに具体的に話すなどしていくのです。
誠実さをもって伝える:心からの感謝や賞賛の気持ちを持って伝えることが大切です。形式的な言葉ではなく、本心からの言葉が相手に伝わるようにしましょう。嘘っぽいとバレて逆効果になることもありますしね。
実際の1on1ミーティングでのアクノレッジメントの例
以下に、実際の1on1ミーティングでのアクノレッジメントの具体例をいくつか挙げます。
プロジェクトの成功を称える:「今回のプロジェクト、君がリーダーシップを発揮してくれたおかげで、予定通りに完了することができた。特に、問題が発生したときの迅速な対応が素晴らしかったよ。あれは結構大変だったんじゃない?」
個別の努力を認識する:「最近の業務レポート、非常に詳細で役立つ内容だったね。君の分析力と細部への注意が全体の品質を高めているように思うけど、どんな工夫をしているの?」
日常の小さな成果を見逃さない:「毎朝のチームミーティングでの発言、いつも建設的でチーム全体にとって大きな助けになっている。ありがとう。」
アクノレッジメントを日々の習慣にするためのヒント
アクノレッジメントは日々の習慣として意識して行なっていかないと、自分のものにはならないというか、使いこなせません。そのために、私がやっていることをご紹介します。
とにかくメモを取っておく:メンバーの良い行動や成果を見逃さないために、日々の業務で気づいたことをメモしておくようにしています。PCからでもスマホからでもiPhoneショートカットを活用してすぐにメモを送るようにして、notionに貯めておきます。そして、1on1ミーティングの前にそのメモを見返して臨むことで、具体的なフィードバックがしやすくなります。もちろん、すぐにアクノレッジメントした方が良いことはslackで伝えつつ、メモにも残して1on1で深掘りするという感じでやっています。
定期的に振り返る機会を作る:月の終わりに、メンバーそれぞれの成果を振り返り、その中で特に印象的な出来事をピックアップしてアクノレッジメントするようにしています。月末の1on1では、それぞれのメンバーとこの1ヶ月を振り返ってどうだったかというテーマでまず話します。メンバーが話し終えた後に、アクノレッジメントする時間を意識的にもうけています。
フィードバックのバランスにも意識:アクノレッジメントばかりでなく、建設的なフィードバックもバランスよく行うことが重要です。良い点をアクノレッジメントしつつ、改善点も伝えることで、メンバーの成長を支援するという姿勢は忘れずにいようと思っています。
日々の1on1ミーティングでアクノレッジメントを行うことは、メンバーのモチベーション向上や信頼関係の強化に大きく貢献します。具体的な方法や実践例を参考にしながら、日常的にアクノレッジメントを行う習慣を身につけ、実際に何度もトライしてみましょう。最初からうまくいくことはありません、何度も繰り返して失敗したり成功したりを繰り返しながら自分なりのアクノレッジメントを型にできると、1on1の質が飛躍的に向上します。これにより、チーム全体のパフォーマンスも向上し、より良い職場環境が実現できるはずです。ぜひ意識してやって見てください。
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