目標を理解してもらうにはどれだけ多くの人をイメージ出来るかが勝負。だから現場に行こう。
私が担当している事業企画では、計画を立案する段階で利益や原価低減の目標を設定して、関係者にお願いすることが多くあります。
しかし、多くの場合、その目標は数字でしかありません。
「利益**億円」
「原価低減**%」
といった感じです。
これを伝えて、「わかりました、やります」という人はそうそういません。
事業企画がこれらの目標について、細かい達成手段を提示することはありません。それは製造現場であったり、開発部署が考えていくことになります。
だからと言って、我々は「後はよろしく」というわけにはいきません。それでは何も始まらないからです。
こういう時に、私が伝えるようにしているのは、以下のことです。
初めの一歩を提案すること
私は製造業にいますので、関係部署というと製造現場であったり開発部署であったりするわけですが、そのような部署の人は得てしてお金の計算には不慣れなことが多いです。
なぜならば、各部署における第1のミッションはお金を計算することではないからです。不良無く生産することであったり、性能が出て、品質のいい製品の設計をすることであったり。
我々がお願いしていくのは、各部署のこういった日常の行動で発生する費用の低減であったりするわけですが、いきなりお金と自分の行動を結びつけるのは非常に難しいことです。
ですから、まずやるべきは、お金で示されることの多い目標を行動に落とし込むことです。つまり、まずは各部署の行動をお金に換算してあげること。
例えば、ある生産ラインで今月100万円使ったとします。100万円だけ示されても、何のことだかわかりません。
しかし、生産現場が日々注力している、「良品の生産台数」であればピンとくるわけで、「今月は100万円使って1万台作りました」と示されるとつながってくるわけです。
10万円予算を減らせ、と言われれば、単純な話、生産台数を1割増やすという方法もあるわけです。ここまでつながれば、あとはどのように台数を増やすか、といった方法は現場で考えてもらえばいいのです。
現場の行動の知識を増やし、それをお金に換算してあげる
目標を関係部署に説明して回るときに、その部署がどんなミッションをもって、どんな行動をしているかをできるだけ理解し、それとお金を結びつけておくことは非常に大事です。この準備で結果は大きく変わります。
製造業における事務屋のような、自分で物は作らない、各現場に頑張ってもらえる演出をするのが仕事の人間は、各現場が頑張れない発信をしているようでは存在価値はありません。
出来るだけその関係部署の行動を理解すること。その理解量で説得力が変わります。
お願いするときだけ現場に行くのではなく、普段から行動をよく理解すること。その積み重ねが非常に大事だと思います。
現場に行くことは大事です。