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はじめに

1. Noteの目的

私は糖尿病、代謝、内分泌領域を専門とする医師である。また、研究も行なっている。EBM(Evidence-Based Medicine)が重要視されるようになり、研究で証明されたデータをもとに治療方針を組み立てることが近年の医療では重要視されている。その考えが重要であることには異論はないし、私もそれに一部携わっているとも言える。しかし、実際の臨床現場において、学ぶこと、考えることは非常に多岐にわたる。研究・科学は考えたこと、調べたことを証明し、世に公表するという確立されたプロセスはあるものの、決定的な問題点がある。それは時間がかかるということである。数年から10年かかる場合もある。こうして科学は発展するし、そのプロセスを否定する気は全くない。しかし、そのプロセスを経ずに、世の中にでても良いと思う内容はいっぱいある。例えば、アイデアの芽である。科学研究のように幾重もの検証を経ることがなくとも、こうかもしれない、このようなことが面白いかもしれない、有益なことということは多々ある。その場で、自分が検証しなくても、重要なことであれば誰かが科学として行ってくれるかもしれない。このような未熟だが、発展するかもしれないアイデアの芽がNoteで取り扱いたい対象の1つである。もう1つは研究の対象として難しい場合である。このNoteでも対象にしようとしているが、人の心理は難解で複雑で、主観的な要素も多く、現代の科学では対象として難しい。しかし、人の心理はある一定の法則性やパターンを持ち動いている。そして、臨床の現場において、人の気持ちというのは重要な要素であるのは間違いない。そのような科学的な研究として現段階では難しいこともNoteなどで発信する対象の1つとしたい。そのため本Noteでは、より迅速に、より多様に、より自由に考えを発信することを目的とする。それをもとに自分の思考を整理するとともに、読んでいただいた方の思考の助けになったり、将来の新たな考えや議論につながれば良いと思う。

2. Noteで書く内容

自分の専門分野に絡めて、下記内容を題材とする。
1. こころをつかむ診療術
 人の心理や感情という側面に焦点をあてた診療術について語る。私は心理学の専門では全くないが、人がどのように考え、どのような感情を抱くかに興味を持ち、日々の診療に向き合っている。ガイドラインや研究では及んでいないところまで、より実践的に伝えたい。
2. 糖尿病の診療術
 専門である糖尿病について、学問的な病態や治療など深く掘り下げる。新規治療薬や最新の臨床的内容を取り扱う。ガイドラインなどに記載
3. 研究の視点
 最新の論文のみにとどまらず、論文の読み方、研究者として使えるツールなどを取り扱う。

3. Noteの対象

専門的な内容を発信するため、患者向け、一般向けではない。下記のようなすでに一般的な知識を習得している医師などが対象となる。
1. こころをつかむ診療術 → 糖尿病など慢性疾患を診る医師、医療従事者
2. 糖尿病の診療術    → 糖尿病病・代謝内分泌領域を専門とする医師、糖尿病患者を診る医師、医療従事者
3. 研究の視点  →   研究者、研究に興味がある医師など

4. 注意点

注意点として、あくまでも個人の考えであるということである。上記のように迅速かつ自由な発信を優先している。また、自分の思考の整理のために利用している側面も大きい。そのため、研究のように検証を重ねたものではなく、不正確なものであることもあったり、将来的に見れば不正確・間違いであったりする可能性もある。読者の意見と食い違うかもしれない。しかし、そのリスクをとっても、将来的な議論や科学の発展につながることを期待し、恐れずに発信していきたい。

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