鬼畜な妹
語りなので音楽を流しながら
読んで頂ければ幸いです。
たまに実家に帰れば妹と顔を合わせる
2人の妹がいて、末の妹は天然だけど
4つ下の妹はキレ者で
成績は常に学年トップで
兄としては立場が無かった
手加減してくれよと
思ったことはしばしばあった
口喧嘩しても勝てる気がしない
そんな妹と会話すると
「お兄ちゃん薄くなったな」
あまり気にしてないから
余計に刺さってしまい
売り言葉に買い言葉
「いいんだよ、俺はバーコードヘーアー
を目指していてコンビニで
ピってやられたら88円ってスコアだすから」
こいつを負かせる点は
唯一笑わせる事しかない
だけど妹はいつも上手で
「たっか!!(高い)」
ええええええええ
高いのぉ!!!!
兄も鬼畜だけど
妹の兄に対する鬼畜さは尋常じゃない(笑)
妹には勝てない理由があって
10歳の頃妹は6歳で小学校に上がる前
産まれてから2歳になるまで
全く毛が生えなくてね
QPマヨネーズみたいでさ可愛くて
いつも一緒に遊んでいたけど
10歳にもなると流石に周りの手前
妹と遊んでいるのが恥ずかし思えて
俺たち悪ガキ男子は水風船を買って
仲間とぶつけあって大はしゃぎ
妹は俺と遊びたくて
親からもらった50円で
水風船を買ってさ
そんな妹の水風船を奪い
妹なんか無視して遊んだ
散々遊んで楽しんで
妹のところに戻るとシクシク泣いていた
「お兄ちゃんと遊びたかった・・」
とんでもない後悔
この日から俺のおやつは
全部、妹にあげることにした
高くついたよ50円の水風船(笑)
妹も小学校の高学年にもなれば
頭は良くて賢くて
もう太刀打ちできなかった気がする
俺は親父とは確執があったから
母親っ子だったけど
妹は出来る者同志
気が合うのか親父っ子でさ
親父が亡くなったとき取り乱していた
俺は親父とは勘当状態にあって
葬式すら出る気はなかったけど
妹が喪主を務めて
なんとか出席して
母親にも人の道を説かれた
そして妹が教えてくれた
お父さんはいつもね
お兄ちゃんの写真をもっててさ
誇りだったみたいだよ
そんな話を鬼畜な妹から聞けば
やっぱり鬼畜だな
親父と仲直りしておけば
よかったと後悔しかない
人の思い出を勝手に美化されてしまい
墓参りの時にいつも謝るしかない
恨み節の1つも言いたいのに
そんな妹がもう40を前に出産した。
高齢出産だし初めての子供だ。
そして俺はオジサンになる
俺ができることといえば
甘やかすなと厳しくしつける妹の裏で
その子が欲しがるものは
何でも買ってやる足長おじさんくらいかな
それをできるようにならないとな。
それは鬼畜な妹に対する
俺のレジスタンスだし
あの日の償いなんだ。
妹は教員免許があり
そこにあえて行かなくてもいいのに
障害のある子の学級を持ち
現場を知らないで
好き勝手いう先生たちと
いつも子供のために戦う
聞いていてハラハラする
だけど親御さんは私の味方だから!
正直俺にはそれがどれほど心強いのか
わからないけど
笑顔ならいいかな
幸せになってくれれば
今更だけど50円の水風船の罪が
消えた気がする
たっか!とか酷い事を言う
妹ではあるのだが言いたいことは1つ
俺の妹でありがとう。
兄に対して鬼畜な言動は実は
心地が良かったりする
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