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そうだ高尾山に、行こう。

20代のころは、50も過ぎればいい加減いろいろ折り合い付けて、諦観の日々になるのだろうと思っていた。
ところがどっこい、いい年こいて未だに「仕事」「会社」「自己承認要求」モロモロに悩んでしまう。
こんな時は山だね、やま、ヤマ。

先週は、火曜日と金曜日の風雨がすごかった。長傘の骨が折れたよ。去年買ったばっかりなのに。
打って変わって土曜日は晴天という。初夏の陽気の天気という。
―そうだ京都、行こう。- ならぬ、―そうだ高尾山、行こう。―と、金曜日の深夜、正確には当日の午前0時に思い立ち、荷造りした。
5時間後には出立だぁ。

金曜までの雨で道がぬかるんでるから、足元ばっかり見ていたけれど、前を歩くご夫婦が、立ち止まっては草花の写真を撮っている。
すてき。ちょっと真似をして私も撮ってみた。
ドへたくそ。

ピントもあやしい

誰に何の感動も与えない写真になった…。

春の芽吹き

ふと立ち止まると、地面はいたるところに春の芽吹きが。
山間から聞こえる鳥の鳴き声、川のせせらぎ、風の音。カエルの鳴き声すら愛おしい。
郷里は田舎なので、田植えの時期になるとカエルの鳴き声がうるさくてテレビの音さえ聞こえなかった。幼馴染は、カエルの「カ」の字を聞くのも嫌がった。あのヌルッとしたフォルムが苦手らしい。
それがここ高尾山では、横穴に潜っている子を、スマホのライトで照らしてまで見たいものになるようだ。
振り返れば、カエルの穴覗きに数人の列ができていた。
ところ変われば価値まで変わるとはこのことだね。

河岸を変えると、私の価値も変わるのだろうか。

登った証拠写真

山登りは内観の作用がある。
答えの出ないことをツラツラと考え、時には立ち止まり遠く先を見る。

まあ、山登りはこの景色こそがご褒美だ。なんとかなるよ、あまり悩むな。

日本一の山

あんまりきれいだったので、関東圏の知人に携帯から写真を送ったら、新幹線の車窓から、ご自身のマンションから、訪問先から、あちこちからお返しに「今日の富士山」の写真が送られてきた。
どの県からも拝めるなんて、やっぱり「富士は日本一の山」。

山登りが趣味でよかった。

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