寺尾朱織
「仕事」って何だろう。「働く」ことって何だろう。 お話を伺った方たちのルポルタージュ記事を上げていきます。
上梓から数年経っているけれど、自分にとって不変のテーマだから、 3月11日の今日、改めて取り上げてみた。 この本は、東日本大震災で被災された、福島県いわき市で、在来野菜を育ててられている生産者さんたちの活動を追ったルポルタージュ本だ。 種一つ輸入に頼っている現在、何らかの事情で輸入できなくなったとしたら。あっという間に食糧難になることは想像に難くない。 どれだけ食糧の価格が高騰するか。 いわき市では、震災の前から在来野菜の保存について活動されていたけれど、この日を境に「在
『仕事のためには生きてない』安藤祐介・作(角川書店) 「やっていることが何のために必要なのかわからない。今の私の仕事とまったく一緒。共感できる」と知人から勧められて読んだ本。 主人公ユーキチが「働く」理由は、大学時代からの仲間とロックバンドを続けるため。そう割り切りながらも、新しく新設されたチームリーダーに抜擢され、会議資料のための資料作りに、事前ネゴのためのネゴ、そして大量のコピーに忙殺される日々。「自分はどうしてこんなに働いているんだろう」と、彼のため息がリアルに聞こ
道にはいろいろなものが落ちている。例えば。 ちくわ。 1本。 形状、色、サイズからして、1パック4本入りで売られている あのちくわと推測。 なんで落ちた? とりのあし。 1本。 たぶん、鳩。 枯れ枝かな、と思ったらおそらく猫がおいしくしゃぶった後のものと推察。 拾ってしまうとこだった。 入れ歯。 1組。 気づこうよ。 上を向いて歩くのもいいけれど、たまには下を向いて歩いても楽しい。
20代のころは、50も過ぎればいい加減いろいろ折り合い付けて、諦観の日々になるのだろうと思っていた。 ところがどっこい、いい年こいて未だに「仕事」「会社」「自己承認要求」モロモロに悩んでしまう。 こんな時は山だね、やま、ヤマ。 先週は、火曜日と金曜日の風雨がすごかった。長傘の骨が折れたよ。去年買ったばっかりなのに。 打って変わって土曜日は晴天という。初夏の陽気の天気という。 ―そうだ京都、行こう。- ならぬ、―そうだ高尾山、行こう。―と、金曜日の深夜、正確には当日の午前0時
外山滋比古先生・著(ちくま文庫) 童話『桃太郎』には諸説ある。 流れてきた桃を食べたおじいさんおばあさんが若返って、桃太郎を授かった、というのは有名な説。 桃は若返りの効果、不老長寿の象徴のイメージと、女性を想起するキーワードでもあるから、なるほどなー。と思ってた。 ところが今の形に落ち着いたのは、どうも江戸時代に、子どもたちに「どうして若返ったら赤ちゃんができたの?」と聞かれて困った当時の大人たちが「桃から桃太郎が」と話したのだと、ネットに書いてあった。(ほんとかな?)
ライターあるあるだと思う。 こんな無名の私の本でも、万人に意図したようには伝わらない。 『今、なぜ種が問題なのか』も、福島県いわき市の生産者の方々の活動を追いながら、「種」についてちょっと意識してみませんか、と言う投げかけだったんだけど。 時折、感想として「自給自足の世界になるといいですね」といただくことがある。 うーん。 反省! 伸びしろしかないと捉えて精進します。。。
2月3日に行われた「いわき昔野菜フェスティバル」に参加させていただきました。立ち上げることも大変だけれど、それを続けていくことの大変さはまた別物。10年を超えてイベントを続けてこられた「いわき昔野菜保存会」の方々には頭が下がります。 在来野菜を守っていくためにはどうすればいいか よくテーマになるけれど、これはもう生産、消費、収益のサイクルだと思う。 在来野菜は根付いたその町の地域力、まさにSDGs(持続可能な開発目標)です。 では、そのサイクルを守るためにどうすればいいか
今年も同フェスティバルが開催されます。 種はあらゆる日常と文化に密接に繋がっています。普段食べているものについて、また、地域の伝統や文化について、みんなで少し振り返って思いを馳せてみるイベントです。 その日は、つきたてのお餅を「むすめきたか」のあんこでおいしくいただく日にする、というのはいかがでしょう。 私も、高速バスの始発に乗って参加します!
いわき昔野菜の伝承者でもある、新妻ゆき子さんからお手製のお味噌をいただいた。 いわき昔野菜の「里豆のみそ」と、いわき市永井産の「田舎みそ」だ。 先月、いわき昔野菜保存会のイベントでどこに卸しているのかを話されていたけれど、他県民にはなかなか手に入れるのが難しい。 そんな話をしていたら、ご厚意で送ってくださったのだ。 なんて申し訳ない💦 りっぱな商品をこんなにたくさん。 厚かましくもありがたく、さっそく「田舎みそ」からいただいた。 お味噌汁以外の食べ方は「味噌 鶏肉 レシピ
2月25日に、「第3回人文知応援大会 レジリエントな未来に向けて」~人類の進化と歴史から学ぶ~ を聴講してきた。 「人文知ってなんだ?」っていろいろググったら、 「人文知」は、文化を愛で、芸術に親しみ、人文学を身につけることを通じて、 人の心の中に生まれてくるしなやかで強靭な「知の力」 と定義されていた。 きっと教養のある知識人なら「ああ、それそれ」ってなるんだろうけれど、私はまだまだ腹落ちしていないので、うまく人に説明できない。 それがもどかしかったので、実際に聴講
2月4日、コロナ禍で延期が続いていた、いわき昔野菜保存会のイベントが開催されたので高速バスに乗って行ってきた。3年ぶりのいわきだったかも。 同会は、震災の前から在来野菜の調査をされていて、私は2012年に調査員の方々と知り合い、それ以来取材にかこつけては、イベントのたびにいわきに通っている。 ※いわきでは在来野菜を「いわき昔野菜」と呼んでいます。 午前の部では、生産者の方による「大久じゅうねん保存会」の取り組みが 紹介された。 震災の前も、震災の後も、そしてコロナ禍でも、
いい加減、口だけのこの体たらくから脱却しなくては。 いわき昔野菜保存会の方々は、息をするように自然体で種を守っている。 自分たちができることをできる範囲で、続けている。 コロナ禍で伸びていたイベントも再開され、頭が下がる思いだ。 今年は、もっとたくさん足を使って、人と会って話を聞いて、書いていく。 まずは、やっぱり種から。
あんまり好きすぎて、一人で心に留めておくことができなくなったので。 思いのたけを叫んでしまう。 坂本司・著(光文社文庫) 『和菓子のアン』シリーズ第2弾。 大好き。 アンちゃん、アンちゃん、あんちゃん! ああもう、かわいい。 友達になりたい。でもアンちゃん、18歳だしなぁ。 みつ屋で一緒に働いたとしても、せいぜいパートのおばさんポジションにしかならないワタシ。 乙女な立花くん、好きなんだよね、アンちゃんのこと! わかる、わかるよー。 そりゃ惚れちゃうよね。 おいし
在宅ワークが定着化しつつあり、会社から定期代が支給されなくなる日も近い。らしい。 じゃあ、途中下車する恩恵がなくなるな、と思うと、現金なことに自転車のことを思い出した。 10年前に1万円ちょっとで買ったママチャリがある。 7年くらい前に今の部屋に引っ越してから、駐輪所に置きっぱなしにしていた。 駐輪所には、屋根はあるけど壁がないから、吹き降りの雨で前かごや荷物台、チェーンなどが見事なサビっぷり。 常々気づいてはいたけれど、乗る機会もないのでそのまま放置していたが、土曜日に、
常に人気上位の絵本だということは知っていた。 でも読んだことがなかった。 今回の「キナリ読書フェス」の課題図書でなければ、この先も読む機会はなかったと思う。 読み終えた後は、ウーフのこどもらしい「どうして?」に自分のこども時代を重ね、ほほえましくすがすがしい読後感を覚えるのだろう。と、いっそ過剰な期待を持って読み始めた。 絵本だし、読み終えるのもそう時間はかからないだろう。 キツネのツネタやうさぎのミミちゃん、りすのキキやねずみのチチって、意地悪だなぁ。 ……。 数十分後
それは「同期」。 今まで、職場で「同期」がいたことがない。 初めて会社員になったとき、新入社員は一人きりだった。 以来、何度か転職を経験したけれど、同じタイミングで入社した仲間はいないので、もう自分には縁がないものだと思う。 社会人10年目を過ぎたくらいだったか、TVで女子アナウンサーが「仕事でうれしかったときや、たのしかったときは共に喜び、つまづいたときや辛かったときを乗り越えられたのは、やっぱり同期の存在ですね」とかなんとか、同期のありがたさを語ったとき、心底うらやま