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《季節の話の終わり方》『統制環境とキャリア42(完)】
「、、、でも、便宜的に、物語を少しだけ進めますね。
大切な読者を置いてきぼりにしてはいけないので、、、」
『、、、たしかに。
気づいたんだだけど、そう考えるとさ、実は皆、、、
俺も含めて、ヤギさんも、頭の中で勝手に相手を創ってるだろ?
だから、二人だろうが、五人だろうが、百、千、万と、相手なんて自分の中にしか、いない。
確かめられないから』
「、、、そうですね。
相手がいる、と考えてる時点で、それは自分の頭の中での反応です。
何もないかもしれないし、ほんとうにいるのかもしれない。
確かめられませんからね」
『データ屋としては、、、
データも、情報も、説明なんて、ほんとうはできないんだよ。
データの見方?
そんなのヒトそれぞれ。
情報の取り方?
インプットの量も質も、外からは全く計れない。
計り知れない。
つまり、、、
“内部統制”、、、なんだな』
「、、、やはり。
コバヤシさんは、流石です。
この研修のテーマとこの物語に照らして、自分を整理できる。なかなかできるコトではない。
水嶋さんからテーマの相談をされた際、どうなるコトが、双方、、、全員にとって素晴らしい結末を迎えられるのか、考えました。
コバヤシさんはどうせ、マトモに講師をやらない。でも多分、そこには何かしらの道がある。
コバヤシさんにとっての道。
KY企画にとって、オフィス・アンにとって、水嶋さんにとって、、、そして、僕にとって」
『”内部統制”を分かりやすく解説してするために用意された俺は、まだ途中で、ホンの一端だけを知っただけ。
だから、物語は続けたい。もっと”内部統制”を俺が知る過程で、多くの、、、皆に届けたい。
それは、まず、俺が、自分に与えられた役割をハッキリと認識するコトから、始まる。
そして、それは同時に、俺のキャリア、、、セルフ・キャリアドックになるし、、、
コバヤシとヤギにとって、の』
「、、、
まだまだ物語は終わらない。でも、ここらで一旦、終わらせます。
でないと、、、落ち着かないし、オチつかない。おちおち、死んでられない、なんつって⁉️」
『佐久間の親父が、まさか乗り移って出てきたか?』
「そうかも。
佐久間さんも実は、まだ終わってない。
終わらせないコトもできる」
『おいおい、あんな親父を生き返らせるのか?』
「物語は、時制を自由にできるという仕組みがある。エピソードゼロや、エピソードマイナス1だだって、可能です。
どうやって佐久間さんが、オフィス・アンを立ち上げたのか?
水嶋さんを雇った経緯は?
コバヤシさんとの出会いやヤギとの出会い。
なんでもアリです。興味あるでしょ?
だから、、、」
『そうだな。一旦、この世界の一端を終わらせるよ。最期は、、、どんな言葉で終わらせるんだい?』
「そうですね。ちょうどイイのが、ありましたよ、、、
あの時、3週間ぐらい前ですね。
あの対話を書いたコトから、始まりました。難しさをどうにかするために、もはや思い付きでさえない。何も決めず、何も考えずに、対話させた」
『思い付きでさえ、ない?
何のコトだよ』
「コバヤシさんも記憶の奥に微かに覚えているハズです。
なんの気なしに、始めたら、対話が繋がっていき、そして唐突に終わった」
『、、、あぁ、そうだったような気がする。
それで、気を良くして、俺と先生が登場したんだ。そうか、そうか。
そうだった』
「では、最期のセリフは、こちらでよろしいでひょうか?」
『そうだな、、、』
「じゃ、来世で」
『、、、来世で』