《じゃあ社長、統制環境を‼️》【統制環境とキャリア⑫】
ある日の社長室。
「と言いますと？」
『うーん、少し気になったんだよね。何だか、必要なんじゃないかな？』
「必要、ですか？」
『特にコレといって、問題があると考えてるんじゃないんだけど。今までの形で続けるのもツマラナイかな、とか思っちゃって』
「ずっと変わらないというのも確かに、面白みはないですね。面白い必要があるか、と問われたら、その必要性については疑問がありますが」
『面白い必要はないんだよ。でもさ、効果を感じないとさ、ツマンナイかな、なんて』
「そうですね、何かを変えるコトで、例えば、大きなミスが見つかったりすれば、イイんですかね？」
『うーん、そういうのは要らないのよ。面倒だし。少しでも、実感があればイイだけなんだけど。変えてよかったな、とか、皆が感じてくれたら、嬉しいじゃない？』
「皆とは、どの辺りまで含みますか？」
『そりゃ、全員だよ。バイトの子、とかまでかな。
業者までは含まなくてイイけど、社内のヒトは一応、含むかな？』
「そうですね。難しいですね」
『そうだよね。
皆がやるコトやってくれてるからなんだけど、上手く回ってるから、どうしても何かをやらなきゃならない、って状態でもないし、具体的に課題みたいなモノもない。でも、漠然とした不安、みたいなのがあってね』
「漠然とした不安、ですか？
いつから詩人になったんですか？」
『新聞で、働き方を考えよう、みたいな記事が最近、ホントに多くて。”キャリア”を考えよう、とか、多分スタッフの皆の将来を、会社でサポートするのがトレンドみたいなんだよね。
将来のコトなんて考えてこなかったし、考え方も分からない。そもそも”キャリア”って何なの？』
「首相が、ヒトに投資するんだ、みたいな宣言を出してましたね。人的資本経営、という経産省主導のスローガンですね」
『そう、それ。詳しいね。
そう、そう。人的資本経営、ってコトバは見たけど、中身はサッパリだな』
「”リスキリング”というのが必要とか。
新しくコトを従業員に、会社が学ばせるコトを推進してるみたいですね」
『ふーん』
「、、、興味ない感じですね。失礼しました」
『いや、そうじゃなくて。
ガムシャラにやってる時は、周りのコトなんて、働いてくれてる皆のコトも全く考えてなかったし、見てなかったんだよね。見たくても、そんな余裕もなかったから、見えなかったんだけど。
最近さ、順調じゃない？
大変さに、慣れちゃっただけかもしれないけど』
「、、、」
『今もね、余裕がそんなにあるかと言ったら、そうでもないけどね。まぁ、いいや。
目の前のコトに集中して、やり切りますよ』
「あの、でしたら、”統制環境”を変えてみたら、いかがでしょうか？」
『トウセイカンキョウ？』
「えぇ、”統制環境”です。詳しくはよく分かりませんが、働き方とかキャリアとか、そういうのを全部、含むそうですよ。
全部、受け売り、ですけど」
『何だよ、それ。厄介そうだな』
「“内部統制”はご存知でしょうか？」
『”内部統制”？
聞いたコトはあるよ。上場する時に必要なやつでしょ？』
「私も詳しくは知らないんです、ほんとうに。
たまたま先日、noteを見てたら、そういう記事があって。
内容は難しくて、よく分からなかったんですが、”統制環境”と”キャリア”の関係について、解説してるそうで。
どちらも、ウチの会社には関係ないかな、と思ったんですが、社長が皆のコトを考えて、何かを変えたい、とおっしゃったので、その記事のコトを思い出しました」
『そうなんだ。
じゃあさ、その記事のリンク、後で送っといてよ。少し見てみるね』