仏教社会福祉論入門編①

1、社会問題としての生活問題
私たちは、生活していく上で様々な困難や社会的事故に直面する。例えば、病気、老齢、災害、失業、低賃金など。さらに人間関係上の困難、精神的なつらさや病気、差別や偏見など目に見えない困難に出会う。人間らしく生きて行くためにはこうした生活上の困難、障害と戦いそれらを解決していくことが不可欠である。こうした生活上の困難を生活問題という。生活問題は個人、家族、家庭、地域などの人間の暮らしの様々な面に現れる。しかし、生活は個人的な営みであるというプライベートな側面を持っていて、家庭に潜在化しやすい特徴を持っている。しかし、生活問題の多くは自分や家族だけでは解決できない社会問題として捉えることが重要である。
社会福祉は国民が直面する生活問題に対する社会的努力の1つとして必然的に生まれ存在してきた。この点で社会福祉の歴史は生活問題が生まれ社会問題として認識されてきた歴史といえる。
近代社会以前は個々の人の自発性や宗教的に基づく慈善事業や博愛事業と呼ばれる救済事業が中心だった。

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