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『三学』=『戒、定、慧』〜仏教の根幹 7
三学とは3つの基本的な行のことで、仏教発展の歴史の中でまとめられて行った。
ブッダが説いた『四諦』『八正道』『中道』の教えをもとに修行の方法としてまとめられたのが『三学』である。
『三学』は『戒(かい)、定(じょう)、慧(え)』の3つの段階がある。仏教の修行を志したものはこの3つの修行を成就することで、仏教が目指す究極の『智慧(ちえ)』を得ることができるという。
・第一段階『戒』
『戒』は仏教徒が守らねばならぬ決まりであり、『八正道』の正語、正業、正命、正精進がこれにあたる。
『戒』を守って正しい生活を営み、行いが清らかになることではじめて次の段階に進める。
・第二段階『定』
『定』とは身も心も静め、集中して心を統一させ乱れない状態を作ること。『八正道』の正定、正念がこれにあたる。
雑念を払い、『三昧(=定)』の境地に入ることで智慧を完成させる環境を整える。
・第三段階「慧」
『八正道』の正思惟、正見が『慧』の部分である。
世界のありのままの姿を曇らない目でみるためには心が清らかでなくてはならない。戒を守り、定の境地を極めてやっと『智慧』の完成に至る。
智慧を完成することで仏教者としての修行が完全に終了したことになる。
『智慧の完成』
=即ち、『解脱(悟りを得る=成道)』
【智慧】(ちえ)
智慧(ちえ)とは、一切の現象や、現象の背後にある道理を見きわめる心作用を意味する仏教用語
ステップ1 『戒』
『戒』を守ることで、『定』の修行に入る準備が整う。
ステップ2 『定』
『智慧』を得るために修行する
↓↓
『精神統一し心を乱さず、寂静の境地に入る』
ステップ3 『慧』
段階を踏んで『智慧』を完成させる
↓
第一の慧、宿住随念智
自分の過去を知る智慧
↓
第二の慧、死生智
死と生を知り尽くし、全存在の本質を理解する智慧
↓
第三の慧、漏尽智
本質には煩悩も苦もないことを理解する智慧