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ブッダのおしえとは⑦縁起の思想

仏教の基本的立場として一貫して貫くものが存在しないわけではない。むしろ、間違いなく仏教である限りは共通する一貫的立場は堅持されていると見るべきである。

それではそのような基本的立場はなにかというとまず躊躇なく挙げられるものとして、世界のあり方つまり存在を要約する『縁起』の考え方がある。初転法輪の時にも既に見られるように仏教の根本的考え方として重要である。

『縁起』の語源は「縁(よ)って起こる」という意味である。「これによって起こる」とも表現される。一般的に世界全てのものは絶対的に同じ、常駐なものは存在せずに「生滅変化」する(無常)の存在であるがその変化には法則を持っている。「その法則を縁起という言葉で表現する。
初期仏教以来、縁起は様々な表現が見られるがその基本的なものは……
「これあるときかれあり、これ生ずるがゆえにかれ生ず。これ無きときかれ無し。これ滅するがゆえにかれ滅す」という表現だろう。

現実生活においても、例えば食べ物ひとつ取っても我々の口に入る前に自然現象や成長への手数、集荷後の流通や調理など様々な要因が存在し、そのこと全てを縁起の因果関係と見ることができる。このような日常生活での因果関係を示す縁起を『一般的縁起』と称し、それに対して仏教の絶対的な教義理解のための縁起説を『価値的縁起』と呼ぶ。価値的縁起の代表は『十二支縁起』が著名。

十二支縁起
十二縁起とも。 過去・現在・未来の三世輪廻(りんね)を12の項目で説く。 原始仏教よりあった思想である。 無明(むみょう)・行(ぎょう)・識・名色(みょうしき)・六処(六入)・触(そく)・受・愛・取・有・生・老死の12をいう。

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