ブッダの生涯⑴ブッダ生誕以前のインド
仏教以前のインド
インドにおける最初の文明は紀元前2500年頃起こったインダス文明である。
この文明はインダス河流域を中心として栄え、とくに代表的な遺跡として下流域の『モヘンジョダロ』と上流域の『ハラッパー』が代表的でよく知られている。焼きレンガの建築物、印章など使用していた。この文明の住人はメソポタミアのシュメール文化とも交易をおこない文化的に深いつながりを持っていた。
インダス河流域は高度な文明が存在したが、ガンジス河流域や南インドにはこれより文化程度が劣るムンダー人やドラヴィダ人がいた。
インダス文明が後世にどれだけ影響を与えたかははっきりしていないが、次のアーリア人のアーリア文明は後世に決定的影響を与えた。
紀元前2000〜1500ごろ、インド・アーリア人がアフガニスタンから侵入してきた。彼らはインダス河上流域、パンジャーブ地方の先住民を制服しつつ侵入した。
インドに侵入したアーリア人はパンジャーブ地方に定住した。紀元前1500〜1000ごろと考えられる。アーリア人は元来狩猟、牧畜を営む民族だったがこの地方に定住してからは農耕もするようになった。パンジャーブ地方は肥沃な土地であって豊かな恵を約束してくれた。
アーリア人は火、雷、雨、大地、太陽、風など生活と関係の深い自然を神々(三十三神)として崇め、これらの神々の讃歌『リグ・ヴェーダ』を創作した。
この時代の大きい出来事に征服者と被征服者という階級制度の元になるものができた。アーリア人は自らを『高貴な人』と呼び、被征服民の先住民を奴隷として社会の最下層に組入れた。この頃の時代のことを『前期ヴェーダ時代』と呼ぶ。
アーリア人は当初パンジャーブ地方に定住したが、さらに領土を拡大する努力を続けた。
この時代の前半(紀元前1000〜800)にまず『サーマ・ヴェーダ』(歌集)と『ヤジュル・ヴェーダ』(祭祀と祭式の説明)及び『アタルヴァ・ヴェーダ』(幸福祈願などの呪文)が編纂され、前期ヴェーダ時代に編纂された『リグ・ヴェーダ』と併せ4つのヴェーダが成立した。この時代のことを『後期ヴェーダ時代』と呼ぶ。
すでにアーリア人が侵入した頃からあった征服者と被征服者という階級区分は、この時代になると4つの身分制度として確立される。即ち、
1、バラモン…祭式を行う司祭者階級
2、クシャトリヤ…王族及び貴族階級
3、ヴァイシャ…一般平民階級
4、シュードラ…奴隷階級
の4つである。これをヴァルナ(カースト)制度と呼ぶ。階級は世襲され、特にバラモンはヴェーダに説かれる神々を崇拝するバラモン教を作り、彼らはバラモン教を司祭する階級者として4ヴァルナの最上位についた
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