浄土教思想④
・大乗仏教の思想
大乗仏教の思想は非常に多岐に渡るためここでは浄土教と関係の深い「菩薩思想」と関連する思想を説明する。
菩薩
まず、「菩薩」とはなにか。これは「さとりを求める衆生」という意味で解釈される。
菩薩とはもともと仏になる前の釈尊、即ち釈迦菩薩を指すものであった。釈尊(ブッダ)はどのようにして菩薩になったのか。ブッダは29歳で出家してから6年の修行を経て35歳でさとりを開いたがやがて6年間の修行だけでさとりを開いたのではなく、過去の世の中における修行を経て成仏したと考えられるようになった。このブッダの過去の世の中の物語が「ジャータカ」という文献にまとめられた。
ブッダの過去の世の中における修行はいつ始まったのか。これに対する答えとして考え出されたのが「燃灯仏授記」という話である。まだ仏になろうとしてない時代のブッダはスメーダという名前の青年だった。ある日、燃灯仏という仏がやってくるという知ったスメーダは泥の上に自分の解いた髪をしいて、その上を燃灯仏に歩いてもらおうとした。その時に燃灯仏はスメーダの前に立ち止まり「将来、スメーダは仏になるだろう」と予言した。これがブッダの仏となる修行のはじまりとされる。そして予言のことを「記別」といい予言が授けられたので「授記」という。
ちなみにこの話は史実とは異なる。伝記、伝承の部類に入る。
成仏の予言は仏から授けられるものである。それでは仏の存在しない世界ではどうだろうか。
この世界に成仏の予言を授けてくれる仏がいないとなればどうしたらいいのか。1つは成仏を断念する。もう1つは成仏の予言を授けてくれる仏のところへ行くことである。幸いブッダの姿や声を聞いたりすることがあった。
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