小説 空を見上げれば(上)43
こんばんは。小説家の藪田建治です。
今日は休みだったので、いきつけのカフェに行ったり、クリーニング屋の白洋社に行ってきました。カフェに行った時にオーナーさんといろいろ話しました。でも3時間近くいたのですが、僕以外にお客さんは来なかったので、大丈夫かなと心配になっていました。経営大丈夫なのかな。個人店って経営難しいだろうな。
小説をアップします。
「なあ孝太が学校を休んでもう3日が経つだろ。連絡してみたか?」
「もちろんしたよ。でも返事はない。読んでいるのに返事がないから、俺としてはどう対応したら良いのか分からないな。」
「やっぱり望にもそうなのか。俺も送ったんだけど、望と同じなんだよ。孝太は一体どうした?何をそんなに抱えているんだ。」
「たぶん監督やコーチが坂下を今後もスタメンで考えてるってことだから、ベンチに下がるのが悔しいんだろ。」
「ベンチな。そんなに差があるものなのか。」
入学当初から有望視されていた晃平には、這い上がってきた孝太の気持ちが理解出来ない。
「孝太はずっとスタメンになることを目標にしてきただろ。新チームになってやっと手にしたスタメン、それが後輩に譲らなくてはいけない状況になった。復帰してからも戻れないとなると分かったら心理的に辛いだろ。」
「そんなものかな。」
「俺は2年の時にスタメンになれたけど、孝太はそうじゃないし、あれだけ負けず嫌いのやつが負けると分かった時に、全部を失ったような気持ちになるんじゃないか。俺が今ベンチに下がったら、やっぱり同じとは言わないが、気持ちは分からんでもない。」
「でも俺は孝太がいると守備に安心出来るけどな。あんなガツガツいけるやつはそうはいないし、予測もポジション取りも絶妙に嫌なときに入り込んでくるんだよ。練習のときに対峙するの本気で嫌だから。」
「いやそうなんだよ。危険な場所を絶妙なタイミングで先回りして埋めてくれるし、1人で奪い切ってしまう。後半30分でもまるで前半みたいに走り回っているだろ。だから安心して任せられるんだよ。」
私は攻撃的な選手で例えば三苫薫選手とか伊東純也選手も好きなのですが、守備的な選手も好きです。今で言えば遠藤航選手とか。遠藤選手も守備一辺倒な選手ではないですけど。
この孝太は遠藤選手と同じようなボランチやアンカーのようなポジションをイメージしました。かつ捌く選手ではなく、狩る選手。頭を使いながらも喰らいついていける選手って表面的な美しい選手ではないが、気持ちのこもった選手です。
これは孝太がサッカー選手として生きていく術。
今日は自分の気持ちではなく、サッカー選手像ですね。
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