ミスを指摘し合うよりも補い合う社会

「もっとちゃんと仕事してくれる？」
「やっているつもりなんですけど。」
「ほらこことか誤字があるでしょ。こういうところよ。だからダメなのよ。」
　ミスが多い自分。見直してるつもりなんだけどな。確かにミスはミスなんだけど、そんなにこのミスが大きなことなのかな。　
　でもこの指摘されることで仕事をすることが怖くなる。ミスが多い自分には、当然怒られる回数も他の人よりも圧倒的に多い。他の人も自分はミスをよくする人間だ。仕事の出来ないやつだと目でこちらを見る。
「まああの人はそういう性格だから。気にするなよ。」
「ありがとうございます。」
　さっきのミスを引き摺ってしまう。気持ちを切り替えないといけないのは分かっているんだけど、なかなかそんな簡単に切り替わらない。どうしてこう自分はミスが多いんだろうな。どうしてそれを変えられないんだろうな。自分が情けない。
　でも人に感情的にぶつけても良いのだろうか。それが相手のミスだったとしても。確かに僕も感情的になることも多いけど、自分がされて嫌だから相手にもその嫌なことはしたくない。
「小さなミスでも大きく捉える人っているよな。」
「まあ完璧に出来れば良いんでしょうけど、僕はミスが多いんで。」
「でもそのミスを失くすようにこうしたらどうって提案するのは良いと思うんだけど、ミスを指摘し合う集団ってどう？そこにいたいと思う？」
「いやいたくないですね。」
「だよな。だからミスをカバーし合う人にならない？せめて僕と君だけはさ。」
「僕もそう思ってました。自分がミスの多い人間だから、他人のちょっとしたミスはカバーしてあげられる人でいたいなって。」
　それとなんでもかんでも感情的になる人やミスを頭ごなしに指摘してくる人と多く接するのはもうやめよう。それとその人の言葉を重く捉えるのは。
　そうは言っても愚痴をこぼしたい時は吐き出す手段を持とうかな。朝起きたら自分の感情を３行だけありったけ殴り書きしたり、メモ帳に自分の愚痴を書いてすぐにゴミ箱に思いっきり投げ捨てたり。たまに愚痴を言い合える人と言い合ってすぐに忘れる。
　出来ることってあるもんだ。

　僕は本当にミスの多い人間です。このストーリーにも書きましたけど誤字脱字のオンパレードだし、他人が普通にやれることが出来ないことも多いし。他人から見て劣っていることもいっぱいある。

でも自分にも出来ることがある。
　職場って未だにマルチプレイヤーのように何でもこなす人間を好む傾向を感じませんか？もちろん職種や業種によるでしょうけど、僕が今まで勤めてきた数社の中でもそういう能力を求められることはありました。また小さなミスをやたらめったに大きく捉えて、ミスを指摘し合うことってありませんか？
　まあミスはミスなのでしょうけど、それを全くの０にすることは人間がやっている以上不可能だと思います。それを指摘し合ったり、囁き合っても全く生産性のないことだと思います。また何も生まない。
　それよりもミスはミスで振り返ることはあっても補い合う関係、助け合う人間関係こっちの方がよほど前向きで、未来に繋がる。僕はこっちの世界の方が好きですね。それは家庭であっても職場であっても。指摘し合うよりも補い合う世界の方が生きやすいと思いませんか？僕はそんな世界に少しでもしたいと思っています。
　
　終わりに書いた３行だけ自分の感情を書き殴ったり、愚痴のこぼし合いもテクニック的なところでは良いと思うのですが、基本はそういう関係にならない人とは出来るだけ離れたり、関わる時間を減らす。また自分の気持ちとしてそこに関心を寄せないようにしたい。
　それと自分を出せるサードプレイスを大事にして下さい。サードプレイスがあるなら、そこはすごく貴重な場所です。