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野球選手のための柔軟性セルフチェック方法〜総集編〜

野球トレーナーのやべかずきです!

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野球をしている人で「柔軟性は大切だ」と思っている方は多いと思います。

実際、Instagramでアンケートを実施したところ、
約95%の人が「ストレッチは必要である」と答えました。


そこで今回は、『野球選手に必要な柔軟性のセルフチェックの方法』ということで
私の指導経験ならびに研究などで明らかになっている科学的根拠に基づいて

果たして野球選手は

■どういう柔軟性が必要で
■どうしたらそれがチェックできて
どう改善すれば良いか?

セルフチェックの方法とその改善ストレッチを紹介します!


ストレッチは今はネットでたくさんの方法が紹介されていると思いますが

論文などから引用して
科学的根拠を持った方法をまとめているものは他にないかと思います!


選手や指導者の方はもちろん、
トレーナーや理学療法士・柔道整復師などの医療従事者の方
必見の内容となっております。

■noteの概要
・総文字数:11327文字
・写真、動画:42枚(セルフチェック・ストレッチ方法など)
・引用論文:14本(セルフチェック方法や根拠など)
随時内容は追加していきます!

では参ります!


はじめに

みなさん、こんな事言われた経験ありませんか?

「身体硬いな〜」
「もっと股関節柔らかくしないと怪我するぞ〜」


そして柔軟性を上げるために、ストレッチをすると思います。

しかし、どうでしょう。

そのチェックってやってますか?

どこまで柔らかくしたら良いか知っていますか?

みなさんはあくまでも野球選手です。

体操選手のようにものすごい柔軟性が必要なわけではないですよね?

画像1


高知新聞、https://www.kochinews.co.jp/sp/article/202865 より引用

そもそもなぜ柔軟性が必要なのでしょうか?

怪我しないため?パフォーマンスが上がるから?

なんとなく”いつものルーティン”でストレッチやってませんか?

小学生の時からストレッチはしなさいと指導されてきたから。

画像2

https://grapee.jp/302075 より引用

今回はそのような事を詳しく説明していこうと思います。

今までの私の専門家としての知識と経験を詰め込み、なるべくわかりやすく解説するつもりです!

*本記事は現時点では肩編と体幹編のみですが、最終的には下肢編を追加して総集編にしようと考えています

今この時点で購入された方は「これがそのまま総集編になります」ので、後日完成されたもの(最終的には1980円を予定)を買うよりも断然お得となります。

総集編では最後にセルフチェックまとめ表を載せようと思いますので、そちらも参考にしながら是非やってみてください!

また、肩・体幹・下肢に分けて個別でもリリースしています。

セルフチェック〜肩編〜
セルフチェック〜体幹編〜
セルフチェック〜下肢編〜(執筆中)


この記事はこんな人にオススメ!

・野球に必要な柔軟性がわからない
・どうやってチェックすれば良いかわからない
・専門家にみてもらったことがない
・今少し痛みを抱えながらプレーしている

ひとつでも当てはまる人がいれば、読む価値アリです!

また指導者の方や野球をしているお子様がいる方で、

・どう指導すれば良いか分からない
・ストレッチは自分の経験だけで教えている
・そもそもあまりストレッチを指導したことがない


と悩んでいる方にも是非読んでいただきい内容です!

逆に

・今すでに投げられないほどの痛みがある
・安静にしてても痛みが続く

このような人はまず医療機関を受診してください。上記のような痛みであればまずは医学的に処置することが優先です。その後、問題がなければ今回のセルフチェックを参考にコンディショニングしてみてください。


ではいきます!



①野球選手にとって柔軟性が必要な理由

そもそもなぜ柔軟性が必要なのか。

一番はよく言われる事ですが...

『ケガをしないため』

だと私は思います。

病院に来る野球選手はこの柔軟性に欠けている事がほとんどです。

そしてセルフケアをしていない事が多いです。

柔軟性がないからといって必ずケガをするわけではありませんが

「ケガをする選手は柔軟性が不足していることがほとんど」

なのです。

柔軟性(≒可動域)が低下した状態でプレーすると、関節や靭帯、筋肉などに負担がかかってきます。そして一番多いのが、柔軟性が低下している部位とは違う部位への影響です。ある関節の可動域が低下していると、その動作を成し遂げようとして他の関節で代償することとなり、その関節の許容範囲を超えてしまうため、過負荷によるケガが起きてしまいます。

例えば、ピッチングにおけるフォロースルーでは

下肢:股関節の屈曲・内転・内旋

体幹:脊柱の屈曲・回旋、肩甲骨の外転・前傾

上肢:肩関節の内旋・内転 

などが主に必要となってきます。このうち股関節の可動域が低下している場合や肩甲骨の外転が不足している場合が多く、その代償として肩を過剰に内旋したフォロースルーがよくみられます。その時点で、内旋を制御する肩後方筋群には過剰なストレスがかかり、筋疲労や損傷などの原因となります。また、肩内旋可動域さえも低下している場合は筋肉だけでは制御できず、関節にまで負担を過剰にかけることになり、ケガの原因となります。

フォロースルー

これがケガをしないために柔軟性が必要な理由です

また、

パフォーマンス面においても柔軟性は非常に重要

です。

なぜか?

パフォーマンスを上げるためにはそれなりの”出力”が必要になります。

車で例えると”アクセル”ですね。

そして、アクセルを思い切って踏むためには何が必要でしょうか?

それは”ブレーキ”です。

ブレーキが壊れていてはアクセルを踏もうとも思わないですよね。ブレーキの機能は身体でいうと筋肉の遠心性収縮にあたります(この辺りの話はまた別の記事にしたいと思います)

そして柔軟性はこのアクセルやブレーキの距離に相当すると考えます。

「滑走路」のようなイメージです。

要は柔軟性があるほど、

アクセルを長く踏めて、ブレーキを長く効かせられるわけです。

たとえ弱いアクセルでも滑走路が長ければスピードは出るし、ブレーキもその距離が長ければ車は止まれますよね?

例えば!

ピッチングにおいて球速にはストライドの長さが関与すると言われています。

このストライドの幅

すなわちどれだけの距離、アクセルを踏めるか?を決定するのは

股関節の外転」という柔軟性です。

スクリーンショット 2020-04-06 21.52.56

https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201909030001-spnavi?p=2&from=other より引用し改変

外転の柔軟性が小さいほど、アクセルの距離も短くなります。

逆に大きいほど、アクセルの距離が長くなります(それだけブレーキの機能も必要になります)

これが柔軟性がパフォーマンスに寄与する理由(のイメージ)です!

なぜ柔軟性が必要かお分かりいただけたでしょうか?


では、柔軟性があればある程良いのか?

もちろん小さいよりは大きい方が良いです。

でもそれだとどこまで行ってもゴールがないですよね。

野球の練習はストレッチだけではありません。ある程度合格ラインの柔軟性があれば、ストレッチしている時間を他の技術練習やトレーニングに充てられます。その方が効率的です。


そこで次は野球選手に必要な各部位の柔軟性を説明していきます。

合格ラインに達していない部位はしっかりとストレッチをしてください。逆に柔らかい所はチェック程度で良いと思います。

そして大事なのはそのチェックを自分でできるようになること!

自分で毎日チェックできるようになると、「気づいたら身体が硬くなっていた」ということが防げます。それがケガの予防になります。

では本題に入りましょう!


②柔軟性セルフチェック

〜肩編〜

まずは肩のセルフチェックです。

■どの柔軟性(可動域)が必要か?

肩関節は特に「内旋」「水平内転」という可動域が重要になります。これには肩の後方の組織の柔軟性が関与し、内旋や水平内転の可動域低下はこれらの組織の硬さ(肩後方タイトネス)を示唆します。

これらの筋肉は投球で主に使われ、投げると必ず疲労し硬くなるので、日々のチェックが重要です。テイクバックでは2nd内旋、フォロースルーでは3rd内旋と呼ばれるポジションでの内旋可動域や水平内転可動域が必要になってきます。

また、「外転」という横に手を挙げる可動域も重要になります。これが低下していると投球障害の原因となる「肘下がり」を引き起こしやすくなるからです。これも肩後方タイトネスを示唆するチェックになります。では、そのセルフチェック方法の紹介です。

■肩後方タイトネスのセルフチェック4種

・セルフwiping face test

まずは「内旋」の可動域チェックですが、これは「wiping face test」という方法を用います。(来田晃幸 他: 第28回日本臨床スポーツ医学会学術集会,2017. より)

スクリーンショット 2020-04-06 22.21.09

このように肘を前に出した状態で反対側の手で肘を持ち、脱力します。前腕の角度(赤線)が水平線からどれくらい垂れているか?を鏡を見て確認します。これは3rdポジションと言われる内旋の可動域を評価しています。本来はパートナーが肩甲骨を押さえながら肘を持つのですが、今回は「セルフ」チェックということで、このような形に応用しています。(*肩が水平より挙がらないように注意)

セルフチェックポイント☆

『垂れ下がる角度の左右差がなければ合格!』


・セルフ2nd内旋テスト

また、テイクバックに必要な2nd内旋のセルフチェックはこのような形で行います。

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