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【投球不良動作を検出するためのスクリーニングテスト】
〈はじめに〉
少年野球の投手におけるシーズン中の傷害発生率は28.7%と高く、その大部分は上肢に発生しています。1,2)
このnoteでもいくつか紹介しているように、これまで様々な研究から投球障害に関連する投球時の不良動作が明らかになっています。
そのうちの一つに「過度な体幹の側屈」があります。
高校野球投手を対象にした研究では、「肩最大外旋位において、体幹を過度に横(非投球側)に傾けると、肘の内反モーメントと肩内旋モーメントが増大する」ことを報告しました。
また、大学野球投手を対象にした研究でも「投球時の肩最大外旋位において体幹の横の傾きが大きくなると肘内反モーメント・肩骨内旋モーメントが大きくなる」ことを報告しました。
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これらのモーメントの増大は、投球肩・肘障害を引き起こします。
この研究結果から、投球時に体幹が過度に傾きすぎていないかをチェックすることは重要になりますが、投球動作は非常に高速かつ動的であるため、厳密には高度な動作解析装置やハイスピードカメラでの評価が必要です。
特に専門家以外の指導者や保護者の方が、投球動作をパッと見ただけでは不良動作があるのかどうかの評価が困難です。
そのため、投球不良動作(体幹の横の傾き)を検知するための簡単なスクリーニングテストが必要です。
具体的には、片足スクワットが体幹の動きを評価するためのスクリーニングテストとして使用されています。
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そこで今回は、『片足スクワット時の体幹の横の傾き程度と投球時の体幹の横の傾きの程度との関係』を明らかにし、片足スクワット時の傾斜から投球時の傾斜を予測できるかどうかを調べた研究を紹介します。5)
〈方法〉
対象は73名の若年野球投手でした。
(11.4±1.7歳、156.3±11.9cm、50.5±8.8kg)
電磁トラッキングシステムを用いて全身にセンサーを貼り付けることで、骨格モデルが作成されました。
片足スクワットは非投球側の足(踏み出し脚)で支える(右投げの場合、左足)動作が行われました。
これは先程の体幹が傾くフェーズ(肩最大外旋位)では踏み出し脚で支えることになるからです。
両手を腰に当て、できるだけ低くしゃがみ、その後直立姿勢に戻ります。その際の体幹の横の傾きが測定されました。
一方、投球動作中の肩最大外旋位における体幹の傾きも評価されました。
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これらの体幹の傾きについて関係性があるかを調べるためにピアソン相関係数、投球時の体幹の傾きが片足スクワット時の傾きから予測できるかどうかを判断するため、線形回帰分析という統計学的分析がされました。
〈結果〉
ここから先は
¥ 300
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