電車の優先席で席を譲らない人たち
僕は今日、会社への出勤時に空いていたということもあり、優先席に座っていた。
分倍河原あたりから優先席もほとんど埋まってきて満員に近くなった。
僕の隣にも前の席にも高齢者や助けが必要な人が座っていたわけではなく、若い人や会社に通勤する人たちが全ての優先席を使っていた。
だから、僕も何も考えずに座っていた。
僕の隣には会社に通勤する若い男性が座っていたのだけど、彼は一つ前の駅から僕の隣に座っていた。
だから、その男性が一駅過ぎたあたりでなんだかソワソワし出して立ち上がった時に僕は急行だし次の駅まで3駅こえないといけないのだからもう少し座っていれば良いのにと思った。
彼が立ち上がり扉の近くまで歩いていくのを僕はなんとなく眺めていたんだ。
でも、彼を目で追っていると僕は気がついた。
彼は立ち上がった後もソワソワしていた。
何してるのだろうかと思ったのだけど、扉の近くでは1人の妊婦さんが吊り革を掴んで立っていた。
僕はその時ハッとさせられた。
イヤホンをしていたわけでも寝ていたわけでもないのに僕は1メートルも離れていないその妊婦さんに気が付かなかった。
なのに、その男性は妊婦さんに気がついて席を開けたのだ。
その後、彼は妊婦さんに声をかけて座るように促したが、妊婦さんはすぐ降りるからとそれを断っていた。
彼の優しさは無駄になったように見える。周りからはそう見える。
でも、8席ある優先席で彼1人がその人に席を譲ったんだ。
僕はいつも、優先席を必要としてる人がいる時に席を頑なに譲らない人を見て呆れる気持ちになる。
この人は優しさがないとか嫌な人だなって感じる。
でも、その認識は少し間違っていたのかもしれない。
多くの人はもしかしたら譲らないのではなくて気がついていないのかもしれない。
今回僕が隣の男性に気が付かせられたようにそれまでは気が付かなかったように多くの人が気がついてないのかもしれない。
僕はカメラを手に持つと周囲を観察する癖がついてるけど、カメラを持っていないと全く周りを見ていないのだと思った。
隣に座っていた男性のように周りに気がつける人になりたいと思った朝だった。