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【蒼き鋼のアルペジオ】どうやら終わらせるつもりがありそうな気配はします

もう干支がひと回りしちゃった2022年8月末に、最新の23巻が出たそうで。
2010年4月の1巻が発売されて、このときが庚とら。で、いまは壬とら。
どんだけやっての、とは思っちゃうけどね。
意地みたいにOn-goingで、唯一これだけは買い続けています。

蒼き鋼のアルペジオ』です。

好きなんです、潜水艦もの。
ほかに思いつくのって、GONZOの『青の6号』くらいだけれども。
子どものころにテレビで観た『眼下の敵 The Enemy Below』あたりのドキドキが原風景かな。

こちらアニメ化もされ、劇場版で完結してと人気もあったようなんですが、ちょっとノリが違ったというか。
同じスタートで、目指したところは違うものって感じでした。
10年越しで続いてるだけあって、マンガのほうは物語の深さも違います。

舞台は、ぼちぼち近未来の西暦2039年です。
これは連載当初からの設定で、本作のキモにある”現代兵器で抗えない敵”の具体的な印象付けもあるんじゃないかと思います。
何せ、この物語で敵となっているのは第二次世界大戦時の軍艦を模した正体不明の大艦隊なので。
霧とともに現れることから霧の艦隊と呼ばれています。
で、ここからが少年マンガらしい味付けになるわけですが、この霧の艦隊に属する軍艦は、トンデモな演算処理が可能なコアで制御されていて、どうしてなのか女の子の見た目メンタルモデルを有しているんです。

もってこいなアニメ化されるべき要素ですよね。
このあたりで路線変更されちゃって、つまらなくなっちゃったんでしょう。

物語として、この女の子の見た目メンタルモデルはオマケみたいなもの。
かなり硬派なSFを、とっつき易く演出しているガジェットに過ぎません。
言っちゃえば「おまえら、こういうの好きなんだろ」です。
〇〇ちゃんぺろぺろ、みたいなのにも媚びないと干支ひと回りは難しいってことなんでしょう。

このところはストーリーの根底にある骨太なSFがチラチラと見え隠れして、ぐんぐん引きこんできます。
5巻くらいまで読んでた、みたいな方には別のマンガと思わせる勢い。
世界観はそのままに、深く静かに潜航していた主題が浮かんできたような。
終わりに向けて、物語の本質が見えてくる。
傑作とされる潜水艦ものは、どれも終わりに畳みかけてきます。
その点でも『蒼き鋼のアルペジオ』は、まごうことなき潜水艦ものです。

ようやく物語も終わりに向かっている気配で、ちょっと覚えのある方は思い出して手に取るもよし、知らなかった方はイッキ読みで追いつくもよし。
ぜひ。

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