実は30年以上前に司法書士試験の勉強に一度挫折している
今から30年以上も前のこと。30代の前半、結婚したての頃一度高いお金を払って司法書士の予備校に通い始めたことがある。しかし講師の説明が何を言っているのか分からず1週間で挫折した。そもそも登記がなんたるかすら分かっていなかったのである。その頃勤務先から海外赴任の辞令が出ており予備校で購入した参考書を海外赴任地に持っていくことにした。独学で勉強を続けようと思ったのである。が現実は甘くなく慣れない海外勤務で生活に慣れることと現地の仕事をこなすことで精一杯で資格の勉強をやる暇などとてもなくあえなく挫折した。持って行った参考書は現地で処分した。以来25年、資格のことはすっかり忘れていた。この間リストラ、転職、私自身のメンタル不調、子供の不登校などいろいろなことが起こった。60歳定年が見えてきた50代後半のある日、司法書士のスマホ学習の広告を目にした。スマホで視聴するだけという謳い文句に飛びつき10万円を払って講義内容を視聴し始めた。司法書士試験勉強2回目のスタートであった。1年位バス通勤途中で熱心に視聴した。講師の説明は図や表などを使って丁寧にされているのだが何か腑に落ちないモヤモヤした気持ちが常に残った。このことをもう少し解像度を上げて説明すると表や図で要領よくまとめられたものを結局は暗記するしかなく、分からないものを暗記する作業に50代後半の物覚えの悪い人間には苦痛でしかないことを思い知ったのである。それでも変なプライドで視聴し続けたが不動産登記法の大量の雛形を覚える作業に差し掛かったところでついにドロップアウトした。その時の気持ちを解像度を上げて説明すると書いてあることがさっぱり分からないし何より面白くないのある。こんなことをやっていても時間の無駄ではないのか。そもそも私は何のために勉強しているのか。今更資格を取ってどうするつもりなのかなど様々な想いが脳裏を掠めた。そして最終的にたどり着いた結論は以下のようなものだった。私は別に資格を取ってキャリアチェンジしようとか、収入を上げようとか本気で思っているかと言えば疑わしい。そうなればいいなあと軽く妄想していることは確かだった。しかしそれよりももっと確かなことは学ぶことが元々好きだということだ。学んで知識を獲得していく過程が好きなのだ。知らないことが分かるようになるということが楽しいのだ。だから勉強している。それ以外に深い理由はなかった。スマホ学習は確かに簡単に取り組めるのだがいつまでたっても内容が分かるようにならなかった。だから挫折した。こうして2度目のチャレンジは失敗に終わった。